2013 年 34 巻 3 号 p. 268-272
神経・筋疾患患者において呼吸障害は患者の生命予後や日常生活に大きな影響を及ぼす。その病態は基礎疾患,年齢,合併症などにより様々であり,個人の病態に合わせた対応が必要である。特に小児の神経・筋疾患では,身体的発達や社会心理的発達にも影響し,呼吸状態の改善および安定化は延命という意味だけでなく,子どもたちの心身の成長発達を促し,彼らが生きる世界を広げることへ繋がる。そのため当院では多職種で連携し,早期からの介入を試みている。ここでは,神経・筋疾患の呼吸障害の病態と,当院における呼吸管理の取り組みについて述べる。