小児耳鼻咽喉科
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原著
当科における小児異物276症例の検討(2006年~2011年)
大原 卓哉牧 敦子正来 隆木村 朱里岡本 牧人
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キーワード: 小児, 異物, 外耳道, 鼻腔, 気管
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2014 年 35 巻 1 号 p. 1-11

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抄録

  小児異物は耳鼻咽喉科診療において頻繁に遭遇する疾患の 1 つである。今回我々は当院を受診した小児異物症例の検討を行ったので報告する。対象は2006年 1 月~2011年12月に当科を受診し外耳道,鼻腔,咽頭,喉頭,気管,食道のいずれかに異物を認めた16歳未満の患者276例である。外耳道異物は 8 歳以下に多く,BB 弾,ビーズ,石の 3 種で62%を占めた。有生異物 7%,無生異物93%であった。鼻腔異物は 6 歳以下に多く,ビーズ,玩具,BB 弾の 3 種で55%を占めた。鼻腔異物の種類は多岐にわたった。咽頭異物は10歳以下が93.8%であり,特に 2 歳に最も多くみられた。魚骨異物が95%でありアジ,ウナギ,サケの順で多くみられた。気管・気管支異物は 2 歳以下が80%であった。ピーナッツ症例は減少傾向であったが,やはり異物の大半を豆類が占める結果であった。異物症は予防することが可能な病気(事故)であり,保護者への啓発を今後も続けていくことが大切であると思われる。

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© 2014 日本小児耳鼻咽喉科学会
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