2014 年 35 巻 1 号 p. 51-56
当院で気管カニューレを抜去し,気管孔閉鎖が可能であった12例について検討を行った。
原因疾患は 6 例が新生児呼吸窮迫症候群であり,6 例中 5 例が1000 g 未満の超低出生体重児,1 例が1500 g 未満の極低出生体重児であった。他は,先天性声門下狭窄症が 1 例,後天性声門下狭窄症が 1 例,特発性間質性肺炎が 1 例,交通外傷による意識障害が 2 例,頭蓋顔面骨早期癒合症が 1 例であった。
小児の気道は狭いため,気管支鏡検査による声門下の評価後,気管カニューレのサイズをさらに細いものに変更し,呼吸状態が問題ないことを確認してから気管カニューレを抜去した。経過観察中の気管支鏡検査で12例中 7 例は声門下腔の狭窄を認め,直ちに気管孔閉鎖を行うことができなかったが,そのうち 2 例は気管孔直上の肉芽による狭窄であり,5 例が声門下狭窄症であった。声門下狭窄症と診断した 5 例のうち,手術を行った症例は 4 例であった。
気管切開術後から気管カニューレ抜去までの期間については,特に喉頭の操作を行った手術症例で長くなる傾向があった。