小児耳鼻咽喉科
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モーニングセミナー
静岡県の難聴児の支援体制について
高木 明
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2015 年 36 巻 1 号 p. 1-7

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抄録

  静岡県では平成11年から「静岡県聴覚障害児を考える医療と保健福祉と教育の会」を立ち上げ,行政,教育関係者と共に難聴児の早期発見,環境整備に取り組み,静岡市では平成12年から 1 歳半聴覚健診をはじめた。また,新生児聴覚スクリーニングの普及に対応するため,平成22年に乳幼児聴覚支援センターが開設され,関係機関の調整,データ収集,母子の支援を行っている。その結果,新生児スクリーニングの受検率は80%程度であるが,検出された難聴児に対するケアの体制は整いつつある。また,中等度難聴の早期発見が可能となり,早期介入がその後の音声言語発達に重要であることを述べた。最後に人工内耳装用児に対する療育体制の未整備であることの問題提起し,保護者の児への関わりがその後の音声言語獲得に重要であることを強調した。

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© 2015 日本小児耳鼻咽喉科学会
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