小児耳鼻咽喉科
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シンポジウム 1―先天性サイトメガロウイルス感染症をめぐる各科の取り組み
先天性サイトメガロウイルス感染症の疫学と今後の課題
錫谷 達夫生田 和史
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2015 年 36 巻 3 号 p. 259-263

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抄録

 先天性サイトメガロウイルス(CMV)感染症が様々な程度の一側性または両側性難聴の原因となること,特に両側性高度難聴の主要な原因であることが明らかとなり,その診断法や予防法,治療法の開発が望まれている。300人の出生に 1 人存在する先天性 CMV 感染者の10~20%に聴覚障害が起こるが,その発症の危険因子は何だろうか? CMV 感染で人工内耳が有効な末梢性の聴覚障害が起こる発症病理はどのようなものなのか? バルガンシクロビル治療に反応する症例としない症例があるのはなぜだろうか? はたしてワクチンが開発されれば本疾患は予防できるのであろうか? 様々な疑問点が残されている本疾患に対する研究の現状を概説する。

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© 2015 日本小児耳鼻咽喉科学会
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