2024 年 44 巻 3 号 p. 367-373
幼児期は重要な言語獲得時期であるため,難聴が存在すると重大な言語発達遅延を生じることになる。今回我々は石川県下の幼稚園児を対象に,TITANの226 Hzティンパノメトリーおよび歪成分音響放射(DPOAE)の機能を用いたスクリーニングを実施し,幼児期における耳疾患スクリーニングとしての有効性について検証した。対象者65児のうち,REFER率は18.5%であった。精査の疾患陽性的中率は44.4%であり,厚生労働省方式のスクリーニングに比べて2倍の耳疾患を指摘可能であった。厚生労働省方式では指摘できない片側の滲出性中耳炎を検出できたことは注目に値する。本研究をさらに発展させることで,従来の厚生労働省方式のスクリーニングで見逃される耳疾患を少しでも多く発見するシステムを構築し,難聴および言語発達の治療に結び付けたいと考えている。