小児耳鼻咽喉科
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当科における幼児難聴外来25年間の動向
藤崎 俊之佐藤 斎和田 匡史泉 修司窪田 和高橋 姿
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2006 年 27 巻 3 号 p. 256-261

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抄録

1981年から2005年の25年間にわたる当科幼児難聴外来の受診者の動向を検討した。受診者総数は1,993名で,年少人口の減少にもかかわらず受診者数は増加傾向にあった。一方,高度難聴児の受診者数は1980年代前半の年間17名が2001年以降の10名と減少傾向にあり,出生数の減少によって実数が減少しているためと考えられた。
2000年以降の新生児聴覚スクリーニングの普及は,産科からの紹介を急増させ,0歳児の受診者数の増加,受診年齢の低年齢化,中等度難聴の早期発見を促したが,いまだ高度難聴児の早期発見に結びついてはいなかった。新潟県では新生児聴覚スクリーニングが公的システムとして未導入で散発的な施行にとどまっており,更なる普及のための全県的な取り組みが必要と考えられた。

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© 日本小児耳鼻咽喉科学会
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