家庭科は生活者として自立する能力や家庭を築き経営していく能力を育て、さらに変化する社会に主体的に対応し、新しい生活文化の創造に取り組む意欲と態度を育てる役割を担っている。本稿では「家庭科教育法」の履修学生に、高校までに学習した家庭科の衣生活分野においての経験と、本授業で学んだ内容や基礎縫いに関する技術の理解度、製作した作品に関する満足度 をアンケートにより調査し、本授業の実技内容と今後の方向性を検討した。その結果、将来小学校教諭になり家庭科を指導することになった場合の知識・技能を身に付けることができ自信になったと多くの履修学生が感じていることが明らかとなった。しかし、理解度に関しては個人差があり、自身での製作はできるが、これを児童に指導していくとなると自信がないと答えている履修学生もある。このことから、より実技的授業を多く持ち、基礎的な縫製技術を実践的に学び、十分に習得する仕組みが必要であると思われる。