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車輪型移動ロボットのなかで, 自動車型などの運転は横滑りがない拘束条件をもつシステムは非ホロノミック系となることが知られている。非ホロノミック系のには入力の数より系の一般化座標の数が多くても制御を行える可能性があるという性質がある。本研究では, 遺伝的アルゴリズムによる非ホロノミック系の車輪型ロボットの車庫衝突防止入れ問題を扱う。ここで, 車庫入れ作業の衝突防止の概念として, 「追従時では閉ループの安定性と追従安全条件を満足する」のように安全性を捉えている。制御方式としてつぎの2段階制御方式を考える。車庫入れ問題を想定して, 車は車庫に入れるとき, そのまま車の方向を変えなくて, 通れない場合, 車の向きや位置を修正することになる。制御器として2自由度コントローラを指定し, このコントローラをインタラクター多項式の係数を用いて表す。インタラクター多項式の係数を最適に決定するため, 遺伝的アルゴリズム(Genetic Algorithm: GA)を導入する。GAによる規範モデル追従制御のコントローラゲインの設計法を提案する。これを2輪独立駆動式の車両車庫入れを適用し, 衝突防止シミュレーションを行う。