歯科審美
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Print ISSN : 0916-1945
原著
S-PRGフィラー含有研磨ペーストがウシ歯エナメル質の超音波速度に及ぼす影響
黒川 弘康飯島 達也髙見澤 俊樹須田 駿一柴崎 翔白圡 康司紙本 篤宮崎 真至
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2024 年 36 巻 2 号 p. 117-123

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抄録

 目的:S-PRGフィラー含有研磨ペースト(PRG)を用いてコンポジットレジンを研磨した際の,窩縁部エナメル質の状態変化を,超音波透過法を用いて検討した。

 方法:ウシ歯に形成した規格窩洞にコンポジットレジンを充塡,硬化させた後,充塡面をシリコンカーバイドペーパーで研削したものを測定用試片とした。測定用試片を0.1M乳酸緩衝液に10分間浸漬した後,人工唾液中に保管する操作を1日2回,28日間継続した群をコントロール群とした。また,実験開始時に測定用試片をPRGあるいはダイヤモンド含有研磨ペースト(DDP)を用いて研磨し,コントロール群と同様の条件で保管した群を,PRG群およびDDP群とした。超音波測定装置を用いて,窩縁部エナメル質の縦波音速を測定した。

 結果:縦波音速は,実験開始14日以降で,PRG群で他の群と比較して有意に大きな値を示した。

 結論:PRGは,窩洞周囲のエナメル質の脱灰抑制効果を有し,再石灰化を促進することが示された。

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