日本シルク学会誌
Online ISSN : 1881-1698
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原著
草木染黒染め絹布の色彩的特徴
山崎 和樹坂口 明男鳥海 浩一郎
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1998 年 7 巻 p. 47-53

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抄録

 実際に黒とは、どのような色として認識されているのかを調べるため、草木染で染めた黒染め絹布に着目し、色彩的特徴を色彩計、分光測色計により測色し、また、一対比較法とSD法による官能試験を行った。一対比較法による官能試験の結果は、黒さの判定に同一の傾向を示し、明確な順位付けが出来た。SD法による官能試験を行なった結果、類似性検査では、全体的に類似度が高いが、同一種の織物について類似性が高い傾向があった。また、主成分分析の結果、5個の主成分が抽出されたが、これらには色彩感と織物の表面特性に関連する因子が含まれ、官能検査によって黒染めの好みや官能量と色彩学的物理量との関連を解析できることがわかった。

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© 1998 日本シルク学会
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