抄録
生糸の市販品検査において必要な許容差を求めるため、繊度偏差、繊度最大偏差及び節について抽出モデルを設定し、シミュレーション実験を行った。
生糸の製造過程において荷口のかせ間のばらつきを小さくすることができれば、許容差を繊度偏差では格付限度の5%、繊度最大偏差では格付限度の10%に設定することにより、生産者危険確率を概ね1%以下とすることが可能であることがわかった。また、節については、失点の大きい節の発生を制御することができれば、許容差を1点とすることにより、生産者危険確率を概ね1%以下にすることが可能であることがわかった。