日本シルク学会誌
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原著
絹布による石鹸水の泡立ち低下についての検討
赤羽 恒子高須 陽子山田 弘生坪内 紘三
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2000 年 9 巻 p. 63-69

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抄録
 絹布及び綿布を石鹸 (陰イオン性) 、陽イオン性、非イオン性の3種類の界面活性剤水溶液に浸漬し、浸漬後の液の泡立ちについて定量的にしらベ、絹布の浸漬が泡立ちを悪くすること、とくに界面活性剤の濃度が0.1%、0.2%で低下が大きいことを確認した。綿布ではこのような現象はほとんど認められなかった。
 つづいて、布地への界面活性剤の吸着について検討した結果、絹布を浸漬すると程度の差こそあれ界面活性剤が吸着され、吸着量は、陽イオン性のべンゼトニウムクロリド、陰イオン性のオレイン酸ナトリウム、非イオン性のトライトン X-100の順に小さくなった。絹布への吸着量は、界面活性剤の濃度が0.3~0.6%で最大となったが、この溶液濃度になると水溶液中の界面活性剤の絶対量が多くなり、泡立ちは低下しなかった。一方、綿布への吸着は、どの界面活性剤もほとんど認められず、泡立ちの低下も見られなかった。
 以上の結果から、絹布での石鹸の泡立ちにくさの主な要因は、絹布への石鹸の吸着によると考えられる。
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© 2000 日本シルク学会
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