SIP成果報告書
Online ISSN : 2758-4089
(2)自動運転の社会的受容性
社会的受容性の醸成に向けた調査と評価
宮木 由貴子
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2021 年 2021 巻 1 号 p. 132-138

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抄録

自動運転技術の社会実装においては,技術開発と制度整備に加え,社会的受容性の醸成が不可欠である.消費者の正しい理解と柔軟で適切な対応が,技術の早期かつ有効な活用を促進するとともに,新しい道路交通システムの安全性を担保する.筆者は関係省庁と連携しつつ,数年にわたって自動運転に関する消費者意識調査を受託・実施し,その変化をフォローしながら,いかなる領域にどのような情報をどのように提供することが,効果的な社会的受容性の醸成につながるかを模索してきた.本稿では,これまでのアンケート調査の結果の一部と全国各地での定性情報収集の結果をもとに,①消費者における自動運転に対する意識の停滞,②運転支援技術の利用者における効果体感の低さ, ③運転支援技術の利用者における機能理解の不足,④高齢者を中心とするモビリティニーズの高さと技術期待への不連携,④「コスト」「固有性・技術限界」面での低受容度について考察した上で,社会的受容性醸成におけるアクション評価チェックリストを提示し,共創体制の重要性を指摘する.

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© 2021 国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構
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