本取組は,自動運転移動サービスの恒久的実施に向けて,限定地域で開始している自動運転サービスを,全国の複数地域で社会実装することを目的に,事業の持続可能性を検討し,自動運転移動サービスに関するマニュアルを適宜更新し,自動運転移動サービスの社会実装の事例拡大に貢献するものである.まずは,現時点の技術レベルで一般道における自動運転による移動サービスの導入が可能な地域として,他の交通が少ない地方部を念頭に置き,道路の走行空間の確保,運行管理等の社会実装を行う上での課題を解決する.検証対象地域は,社会実装された4か所,長期実証を行った実験1か所を選定した.これら対象地域は2019年11月より順次,自動運転移動サービスの提供を開始し,事業の持続可能性の向上に資する他事業連携や地域住民の受容性向上等の施策を実施している.本稿では,自動運転移動サービス導入の目的,実用化に向けた検討対象地域・使用車両・社会実装の要件定義,社会実装箇所及び長期実証実験箇所の各地域の取組について概説する.