日本女性科学者の会学術誌
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総説
小児糖尿病の診断と管理についての臨床的研究
大和田 操北川 照男
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2012 年 12 巻 1 号 p. 22-31

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抄録

以前は、小児に見られる糖尿病は急激に発症する1型糖尿病(インスリン依存型糖尿病、IDDM)であると考えられてきたが、日本では1970年代、小中学生、即ち学童の尿糖検査による糖尿病集団検診が行われるようになり、成人期の疾患と考えられていた2型糖尿病(インスリン非依存型糖尿病、NIDDM)が少なくないことが明らかにされた。1型糖尿病の発生頻度が著しく低いわが国では、一般のみでなく、医療従事者の知識が乏しく、小児1型糖尿病の長期予後は、欧米に比べて極めて悪かったが、1980年代に入ると、小児糖尿病の国際研究が開始され、現在では、その予後が改善されてきた。一方、わが国からの報告以後、欧米においても小児2型糖尿病について関心が持たれるようになった。本稿では、これまでの40年間における、我が国の小児糖尿病臨床研究について概説したい。

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© 2012 日本女性科学者の会
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