抄録
我々の施設で過去5年間に,外鼻に発生した皮膚悪性腫瘍に対して手術治療を行った症例を検討した。局所皮弁術または遊離植皮術で再建されていたBCCの23例を検討したところ,局所皮弁術での再建17例に対して遊離植皮術での再建は6例であり,局所皮弁術での再建が多かった。また,再建方法別に腫瘍の大きさを検討すると,局所皮弁術で再建されていた腫瘍の長径の平均が径7.8mmであったのに対し,遊離植皮術で再建されていたものの平均が径12.6mmと,大きな腫瘍に対しては遊離植皮術を用いる傾向が多かったが統計学的な有意差はなかった。さらに手術時の年齢を検討したところ,局所皮弁術で再建されていたものの平均年齢が67.4歳であり,遊離植皮術で再建されていたものの平均年齢は77.0歳であり,比較的高齢者では遊離植皮術での再建が多い傾向にあったが,こちらも統計学的な有意差はなかった。