Skin Cancer
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第36回日本皮膚悪性腫瘍学会
教育講演3
シンポジウム1
一般演題
  • 沢田 広子, 大下 彰史, 小森 敏史, 浅井 純, 加藤 則人
    2021 年 36 巻 1 号 p. 16-20
    発行日: 2021年
    公開日: 2021/06/30
    ジャーナル 認証あり

    68歳,女性。色素性乾皮症の既往があり,約3年前に顔面の基底細胞癌の手術治療目的に当科へ紹介され受診した。顔面の多発する基底細胞癌や有棘細胞癌に対し,複数回切除術を施行した。外来通院で経過をみていたところ,新たに左頬部に褐色斑と黒色斑が混じる病変が出現した。ダーモスコピー所見より皮膚悪性腫瘍を疑い,局所麻酔下に全切除生検を施行した。病理組織学的検査で,同一病変内に悪性黒色腫と基底細胞癌の所見を認めたため,collision tumorと診断した。

    悪性黒色腫と基底細胞癌のcollision tumorは稀であり,臨床的に診断するのは難しい。Collision tumorの可能性も念頭に置き,ダーモスコピーで病変全体を詳細に観察することが重要である。

  • 川﨑 彩加, 柴山 慶継, 今福 信一
    2021 年 36 巻 1 号 p. 21-25
    発行日: 2021年
    公開日: 2021/06/30
    ジャーナル 認証あり

    81歳,男性。悪性腫瘍の既往はない。X年5月頃左鼠径に皮下腫瘤を自覚し,増大,圧痛を伴うようになった。近医で左鼠径リンパ節腫脹を指摘され,当院に紹介となりPET-CTで同部位に異常集積を認めた。左鼠径リンパ節摘出術を施行し,高分化型扁平上皮癌リンパ節転移の病理像であった。全身精査を行ったが明らかな原発巣はなく,原発不明扁平上皮癌と診断し,左鼠径リンパ節郭清術を行った。術後17ヵ月経過するも再発,転移は認めていない。原発不明癌は悪性腫瘍全体の1~5%を占め,転移の組織型は腺癌や未分化癌,低分化癌が多く,扁平上皮癌は極めて稀である。原発不明癌は一般的には予後不良であるが,原発不明癌の中でも扁平上皮癌の鼠経リンパ節転移例は予後良好群にあたり,早期に診断し適切な治療を行うことで長期生存も期待できる。原発不明扁平上皮癌の鼠経リンパ節転移例は以上のことを踏まえて治療・経過観察する必要がある。

  • 太田 志野, 河原 由恵
    2021 年 36 巻 1 号 p. 26-32
    発行日: 2021年
    公開日: 2021/06/30
    ジャーナル 認証あり

    59歳,女性。2年前から頭部に瘙痒を伴う皮疹が出現し,好酸球性膿疱性毛包炎が疑われ,加療されるも改善せず,当科を受診した。顔面に浸潤性紅斑,頭部に脱毛を伴う結節,紅色局面,躯幹上肢に苔癬化局面,丘疹を認めた。後頭部の皮疹より皮膚生検を施行し,毛包周囲に密な異型リンパ球および好酸球の浸潤を認めた。浸潤細胞は主にCD4陽性のT細胞であり,一部CD8,CCR4陽性でCD30は陰性であった。毛包向性菌状息肉症と診断し,ステロイド外用,ベキサロテン内服,電子線照射,モガムリズマブ点滴,CHOP療法,CEPP療法,NB-UVB照射,ボリノスタット内服,プレドニゾロン内服での加療を行った。

  • 上塘 葉子, 武田 浩一郎, 玉井 真理子, 佐藤 浩子, 二之宮 謙次郎, 田代 幸恵, 島田 辰彦, 米倉 健太郎, 金蔵 拓郎
    2021 年 36 巻 1 号 p. 33-37
    発行日: 2021年
    公開日: 2021/06/30
    ジャーナル 認証あり

    76歳,女性。25歳時に帝王切開術施行後,出血のため再開腹術を受けた。手術瘢痕の一部に繰り返す滲出液があり,その後色素斑が出現したが放置していた。初診時,上腹部の手術瘢痕上に瘻孔を認め,瘻孔の下方に隣接して一部黒色斑,結節を伴う紅斑局面を認めた。皮膚生検の病理所見から基底細胞癌と診断した。MRIでは瘻孔下端が白線直下まで達していた。全身麻酔下に腹膜脂肪組織を含めて腫瘍を切除した。切除断端は陰性で術後1年半再発なく経過している。切除標本の組織を詳細に観察すると,腫瘍胞巣の一部が瘻孔壁と連続しており瘻孔から発生した基底細胞癌と診断した。術後の瘢痕から生じた基底細胞癌と,瘻孔を伴う,または瘻孔から生じた基底細胞癌の症例は,いずれも少数の報告がある。術後の瘢痕部に瘻孔が生じそこから基底細胞癌が生じた例はこれまで報告がなく,稀少な症例であると考え若干の文献的考察を交えて報告する。

  • 大西 正純, 渡辺 彩乃, 三浦 慎平, 天野 博雄
    2021 年 36 巻 1 号 p. 38-43
    発行日: 2021年
    公開日: 2021/06/30
    ジャーナル 認証あり

    53歳,男性。右足底悪性黒色腫の初回手術から3年後に下腿のin-transit転移が出現し,外科的切除を行うも再発した。ニボルマブ単独療法で効果はなく,ダブラフェニブ・トラメチニブ併用療法を行い寛解した。治療中止後にin-transit転移が再燃したため,ニボルマブ投与を再度行い,さらに放射線治療を併用した後にIFNβ局注を追加したところ,in-transit転移は消腿した。自験例はニボルマブとIFNβの併用により細胞傷害性CD8陽性T細胞が誘導され,抗腫瘍効果が高まったと考えた。また,ニボルマブと放射線治療の併用によるアブスコパル効果が遅発性に出現した可能性もある。免疫チェックポイント阻害薬に放射線やIFNβなどの局所治療を併用することは様々な抗腫瘍効果が期待され,局所制御のみならず,予後の改善につながる可能性があると考えた。

  • 石川 秀幸, 渡邉 裕子, 水野 雄斗, 福澤 理映, 金岡 美和, 相原 道子
    2021 年 36 巻 1 号 p. 44-48
    発行日: 2021年
    公開日: 2021/06/30
    ジャーナル 認証あり

    免疫チェックポイント阻害薬はさまざまな有害事象が出現することが知られている。内分泌系の副作用は,投与開始後遅れて出現することや継続的なホルモン補充療法が必要になるため,注意が必要である。下垂体機能低下症は,自覚症状が非典型的で発見が難しいが,放置すると副腎クリーゼを起こし致死的となる危険性もある。今回当科にて経験した下垂体機能低下症5例の臨床的特徴を検討した。全例で強い倦怠感がみられ,3例で低ナトリウム血症がみられた。全例ステロイドホルモンの補充療法を行い速やかに改善した。転帰はprogressive diseaseが20%,partial responseが20%,残り60%がstable diseaseであった。下垂体機能低下症は早期発見し速やかにステロイドホルモン補充を行えば改善する。初発症状として倦怠感と低ナトリウム血症が高頻度にみられることから,この所見に注目することが早期発見につながると考えられる。

  • 上田 佳奈, 横山 大輔, 八尋 知里, 川田 裕味子, 高井 利浩, 最所 裕司, 永瀬 浩太郎
    2021 年 36 巻 1 号 p. 49-54
    発行日: 2021年
    公開日: 2021/06/30
    ジャーナル 認証あり

    32歳,女性。初診約3ヵ月前に右頬に小腫瘤を自覚し,急速に増大した。2週間前には約20 mm大となり,前医で切除され,病理組織でメルケル細胞癌の診断となった。画像検査では明らかな転移所見や他の癌の所見はなく,追加拡大切除およびセンチネルリンパ節生検を行ない,いずれも腫瘍細胞は陰性であった。過剰な紫外線曝露歴や免疫抑制状態はなく,免疫染色ではメルケル細胞ポリオーマウイルス陽性であった。追加治療は行わず,初診より2年以上再発なく経過している。メルケル細胞癌は高齢者での発症が多く,32歳は本邦報告では最若年である。メルケル細胞ポリオーマウイルスその他の発症要因についての文献的考察を交えて報告する。

  • 井上 円, 水谷 有希, 松山 かなこ, 周 円, 神人 正寿, 宮崎 龍彦, 清島 真理子
    2021 年 36 巻 1 号 p. 55-59
    発行日: 2021年
    公開日: 2021/06/30
    ジャーナル 認証あり

    72歳,男性。約1ヵ月前に右肩に圧痛のない皮下腫瘤に気づいた。初診時,紅色~暗紫色,径4 cmの不整形,弾性硬の腫瘤がみられた。MRIでは紡錘形細胞脂肪腫や多形型脂肪腫が疑われた。生検の病理所見では真皮内に異型紡錘形細胞が束状や杉綾状に配列しており,紡錘形細胞肉腫が考えられた。所属リンパ節腫脹,遠隔転移はない。側方マージン30 mm,深部は僧帽筋全層で切除し,2期的に分層植皮術を施行した。全摘標本の病理では真皮深部を中心に異型紡錘形細胞が花むしろ状に増殖し,脂肪織まで浸潤。最深部では僧帽筋膜に接していた。腫瘍細胞は一部で緻密な増生を示し,魚骨様形態も呈した。免疫染色でびまん性にCD34陽性を示した。また,COL1A1-PDGFB融合遺伝子が検出され,隆起性皮膚線維肉腫(DFSP)fibrosarcomatous variantと診断した。DFSPの診断に迷う症例ではCOL1A1-PDGFB融合遺伝子の検出は診断に有用と考えられる。

  • 松木 康譲, 須山 孝雪, 横山 恵美, 西村 季紘, 片桐 一元
    2021 年 36 巻 1 号 p. 60-64
    発行日: 2021年
    公開日: 2021/06/30
    ジャーナル 認証あり

    33歳,男性。出現時期不明だが,腰背部皮下腫瘤が数日で21×20×10 cmまで急速に増大した。MRIで血腫を疑い,血管塞栓術後に可及的に摘除した。病理組織学的に低悪性度悪性末梢神経鞘腫瘍(Low grade MPNST)と診断した。追加切除後に放射線を照射し,術後2年経過しているが再発・転移を生じていない。非神経線維腫症の患者に生じた巨大MPNSTが腫瘍内出血により急速に増大したと考えられた。腫瘍は大半が良性の神経線維腫様組織で構成されており,発生母地として蔓状神経線維腫を疑った。

CPC-2
  • 石原 優里, 荻田 あづさ, 伊東 慶悟, 佐伯 秀久, 山中 聡, 新井 栄一, 安齋 眞一
    2021 年 36 巻 1 号 p. 65-70
    発行日: 2021年
    公開日: 2021/06/30
    ジャーナル 認証あり

    86歳,女性。2018年9月より顔面と体幹部に播種状に淡い小紅斑が出現し,中毒疹としてプレドニゾロンを内服した。翌年2月より両上眼瞼に紅色皮膚結節が出現。血液検査にて可溶性IL-2レセプター4510 U/mLと高値であった。悪性リンパ腫を疑って皮膚生検したところ,真皮から皮下組織にかけて大型から中型の核異型のあるリンパ球様単核球が結節状に集簇しており,免疫組織化学染色では,CD79a,bcl-2,MUM-1が結節状に集簇する細胞に陽性,EBV-encoded small RNA-in situ hybridization,CD30,bcl-6,PAX-5が一部の細胞で陽性であった。病変の一部には,CD138陽性の形質細胞様細胞が集簇していたが,κλ鎖の軽鎖偏位はなく,反応性のものと考えた。当初CD20が一部の細胞でしか陽性とならなかったため,診断に苦慮したが,EBV陽性Diffuse large B-cell lymphoma,非特定型と最終診断した。

第35回日本皮膚悪性腫瘍学会
シンポジウム4
  • 安富 陽平, 山﨑 修, 立花 宏太, 杉本 佐江子, 森実 真
    2021 年 36 巻 1 号 p. 71-75
    発行日: 2021年
    公開日: 2021/06/30
    ジャーナル 認証あり

    91歳,男性。既往にハンセン病,尿管癌がある。ADLが悪く,ほぼ寝たきり状態。2年前に顔面神経麻痺のある左頬にびらんと痂皮が散在し,日光角化症として液体窒素などで加療されていたが,腫瘤になり徐々に増大し,生検で有棘細胞癌と診断された。他院では手術や放射線治療が検討されたが保存的治療の方針となっていた。創部を触る動作が増えたためアセトアミノフェン内服,潰瘍面より出血がありモーズ療法を行っていた。その後さらに腫瘤は増大し,当科を紹介受診した。左頬に中央に潰瘍を伴う12×10 cmの淡紅褐色,広基性の腫瘤があった。CTではリンパ節,遠隔転移は認めなかった。超高齢でADLが悪く,低アルブミン血症,胸水があり,腫瘤が大きく輸血が必要でハイリスク症例であった。局所制御目的で全身麻酔下に切除,植皮を行った。しかし術後5ヵ月後に肺炎で永眠された。

一般演題
  • 江藤 博文, 持田 耕介, 黒木 脩矢, 佐藤 勇一郎, 天野 正宏
    2021 年 36 巻 1 号 p. 76-80
    発行日: 2021年
    公開日: 2021/06/30
    ジャーナル 認証あり

    51歳,男性。初診3ヵ月前から頭頂部に腫瘤を認め,前医での内服,外用では改善がみられず増大してきたため当科紹介初診した。生検組織からapocrine mixed tumorと診断し切除縫縮術を施行した。病理組織学的に腫瘍細胞は管腔上皮細胞と基底細胞様細胞の2相性を呈し,管腔上皮細胞は管腔構造を形成し,基底細胞様細胞は淡好塩基性を示す粘液様物質を取り囲むように配列し偽管腔を形成していた。真の管腔と偽管腔が混在する篩状構造を示す増殖パターンで,周囲組織への浸潤,多数の有糸分裂,壊死,神経周囲への浸潤を認めた。免疫染色ではEMA,α-SMA,calponinが陽性であり,adenoid cystic carcinomaと診断した。PET-CTで明らかな他の原発巣を指摘できず,primary cutaneous adenoid cystic carcinomaと診断した。初回手術から2ヵ月後拡大切除と植皮を施行した。術後2年経過しているが局所再発や遠隔転移を認めない。

  • 横山 大輔, 八尋 知里, 川田 裕味子, 高井 利浩, 後藤 啓介, 榊原 俊介, 松居 秀敏
    2021 年 36 巻 1 号 p. 81-85
    発行日: 2021年
    公開日: 2021/06/30
    ジャーナル 認証あり

    61歳,女性。約1年前から左上眼瞼の無症候性腫瘤を自覚した。近医眼科で霰粒腫として治療されたが緩徐に増大したため紹介元で皮膚生検を施行し,悪性腫瘍を疑われ紹介となった。左上眼瞼の外寄りの瞼縁~眼瞼結膜にかけて,7×4mm大の表面平滑で光沢を有する境界比較的明瞭な淡灰紅色局面があり,同部の睫毛は消失していた。前医生検の病理組織では脂腺分化はなく,異型な核を有する好酸性の胞体をもつ腫瘍細胞が不整な腺腔構造をとりながら増殖していた。生検標本からは腺癌,分類不能と診断した。腫瘍から7 mm離して切除した手術標本でも生検標本と同様の所見であったが,断頭分泌様の所見やGCDFP-15が一部陽性であり,全摘標本の腫瘍の局在も解剖学的にMoll腺の存在部位と一致していた。全身精査から腺癌の転移も否定し,最終的にMoll腺癌と診断した。

  • 水野 雄斗, 石川 秀幸, 福澤 理映, 藤本 正数, 安齋 眞一, 相原 道子
    2021 年 36 巻 1 号 p. 86-89
    発行日: 2021年
    公開日: 2021/06/30
    ジャーナル 認証あり

    42歳,女性。左乳癌の切除および左腋窩リンパ節郭清を施行した。摘出したリンパ節の線維被膜内に,均一な類円形から楕円形の核および豊富な褐色顆粒を含む胞体を有する細胞集塊を認めた。隣接するリンパ管の管腔内にも同様の腫瘍細胞が存在した。腫瘍細胞は異常な核分裂像は目立たなかったものの,腫瘍細胞数が多く良悪性の判断に苦慮した。免疫染色ではS-100陽性,Melan A陽性,HMB-45少数陽性であり鑑別がつかなかったが,PRAME陰性,5-hmcの発現は保たれていたことよりnevus cell aggregates in lymph nodesと診断した。リンパ節内の良性母斑細胞の存在は稀であるが本邦でも報告がなされており,成因として,母斑細胞のリンパ節転移,胎生期における母斑細胞の遊走異常が考えられている。悪性黒色腫のリンパ節転移との鑑別が重要となる。しかし,腫瘍の形態,配列からは診断が難しく注意が必要であるが,今回PRAME染色,5-hmc染色により診断に至った。

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