抄録
22歳,男性。2004年頃より右臀部に皮下腫瘤を認め,その後腫瘍は徐々に拡大した。2010年7月に近医を受診。皮下腫瘤摘出術を施行した。病理所見よりmyxofibrosarcomaと診断され,断端陽性のため追加切除目的に当科へ紹介された。紹介医で切除した病理組織像は,粘液基質を背景に核異型が軽度な線維芽細胞様細胞が疎に増殖していた。免疫染色ではビメンチン陽性,MIB-1 indexは5%陽性を示した。当科にて,前回手術痕より5 cm離して筋層内まで追加切除施行した。術後6ヵ月,再発,転移は認めていない。
Myxofibrosarcomaは組織学的にlow grade fibromyxoid sarcomaとの鑑別が必要になる。そこで,myxofibrosarcomaとlow grade fibromyxoid sarcomaとの差異について臨床的,組織学的に検討した。