抄録
センチネルリンパ節の同定にはRI法,色素法など様々な方法が報告されており,その精度を高めるため,いくつかの方法を併用するのが一般的である。我々はRI法と色素法に加えて,CT-lymphographyを併用してセンチネルリンパ節生検を施行している。CT-lymphographyは当院倫理委員会で承認を得たのち,同意の得られた28症例(男性12例,女性16例,平均年齢65歳)に対して行った。そのうち17例で造影効果を認め,頭頸部領域で腫瘍近傍のセンチネルリンパ節を正確に描出することができた。また,リンパ管の走行も詳細に把握できるため,複数のリンパ節が描出された場合,それが2次リンパ節なのか,別channelからのリンパ節なのかの判断が可能であった。さらに,症例に応じたより適切な廓清範囲の決定や,subtotal integmentectomyの際の切除範囲の検討などにも有用であると考えられた。