2017 年 31 巻 3 号 p. 238-243
日光角化症に対するイミキモド療法の効果判定法は,視診上の消失を有効とするが,未消失の中には「不変」,「少し軽減」,「著しく軽減」が含まれる。今回イミキモド治療前・後に皮膚生検を施行した15症例で視診と組織診を比較検討した結果,視診で未消失14例中「著しく軽減」の9例全例と「少し軽減」4例中1例は組織診で完全消失しており,有効と判定した。つまり視診で未消失の14例中10例が組織学的には有効で,判定には組織診を必要とした。さらに無効例のうち,視診で「少し軽減」し,局所皮膚反応を呈した3例は,追加治療なしで8~20週後にはいずれも「著しく軽減」,組織診では完全消失し,イミキモドの遅発効果と考えた。最終的に15例中14例(93.3%)を有効と判定した。効果判定時期は,治験に基づき塗布終了後8週時を基準とし,症例によっては組織診による効果判定を前提に経過観察期間のさらなる延長を考慮してよいと考えた。