Skin Cancer
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一般演題
胃Kaposi肉腫につづき皮膚Kaposi肉腫がみられたAIDSの1例
大久保 葵東 裕子畠中 美帆藤井 一恭古川 良尚金蔵 拓郎
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2019 年 34 巻 3 号 p. 234-237

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抄録

40歳,男性。初診8ヵ月前に,発熱,全身倦怠感,体重減少,心窩部痛を認め,前医を受診した。上部消化管内視鏡検査が施行され,胃潰瘍部の粘膜生検でHHV8陽性の紡錘形細胞の増殖を認めた。HIV陽性(HIV RNA量1,000万copy/mL以上),CD4低値であり,AIDS関連Kaposi肉腫と診断された。抗HIV薬が開始され,徐々にHIV-RNA量は低下したが,初診1ヵ月前は82,000 copy/mLと依然高値であった。初診2週間前から右肩と右前腕に皮疹が出現し,顔面にも皮疹が拡大したため当科を紹介された。皮膚生検で,Kaposi肉腫と診断した。一般的に皮膚以外に病変がある場合は抗HIV療法に化学療法や放射線療法の追加も検討されるが,自験例は抗HIV療法のみで皮膚結節は縮小している。

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© 2019 日本皮膚悪性腫瘍学会
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