昭和47年から昭和59年までの13年間に鹿児島大学皮膚科学教室で経験した転移性皮膚癌14症例を集計した。その原発巣, 臨床像, 組織像, 予後などを検討し, 次のような結果を得た。
1) 皮膚科外来患者に対する転移性皮膚癌の頻度は0.033%であった。2) 原発巣は肺が4例でもっとも多く, 次いで胃3例, 乳房2例の順であった。3) 臨床像は結節を呈する症例が12例で圧倒的に多く, 4) 組織像は腺癌が7例でもっとも多かった。5) 原発巣の治療後より皮膚転移までの期間は平均10.8カ月で, 1年以内が83%を占めた。6) 皮膚転移後死亡までの期間は平均4.3カ月で, 6カ月以内が78%, 1年以内が89%であった。