Skin Cancer
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広範囲の逆行性皮膚転移を来したeccrine porocarcinoma (EPC) の1例
坂 義経神谷 秀喜北島 康雄
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2006 年 21 巻 1 号 p. 81-84

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抄録

45歳女性。右大腿部の結節を主訴に, 近医で全摘出された。病理組織学的にeccrine porocarcinoma (以下EPCと略す) と診断し, 腫瘍拡大切除および右鼠径リンパ節郭清術を行った。郭清したリンパ節の12個中10個に転移を認め, 術後にアジュバント療法として, low dose FP療法, 遠隔リンパ節転移に対してFECOM療法を行った。しかし, 術後2年2ヵ月後, 急激に右下肢に境界不明瞭な熱感を伴う局面と大小の紅色小結節が出現。皮膚生検でEPCの広範囲逆行性皮膚転移と診断した。しかし, 徐々に右下肢が壊死に陥り, 同部からの感染症を併発してDICのため死亡した。EPCにおいて, 広範囲皮膚転移が直接の死因となるケースは稀であり, 若干の文献的考察を加え報告した。

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© 日本皮膚悪性腫瘍学会
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