抄録
センチネルリンパ節バイオプシーが最近注目されている。この方法を行うことにより悪性黒色腫や乳癌において, NO症例の顕微鏡レベルの転移を手術前に判定可能となる。現在, 口腔癌をはじめ, 様々な悪性腫瘍への導入も始まっている。センチネルリンパ節をみつけるにはラジオアイソトープ, RIを用いた方法が一般的である。ガンマプローブという放射線検出器を用いてセンチネルリンパ節を検出するが, これはガンマ線の強さを数値で知らせるのみで画像は得ることができない。私たちは小型化が可能な半導体を用いた小型ガンマカメラを企業と共同で開発してきた。性能試験と動物実験で微量のガンマ線の検出が短時間で可能で, 臨床的には舌癌, 乳癌, 食道癌, 四肢の悪性黒色腫などでセンチネルリンパ節の描出が可能であった。
小型ガンマカメラは術中に目的部位の画像を描出できるのでセンチネルリンパ節バイオプシーのようなRIを使用したRIガイド手術に威力を発揮すると思われる。