Skin Cancer
Online ISSN : 1884-3549
Print ISSN : 0915-3535
ISSN-L : 0915-3535
皮膚悪性腫瘍治療ガイドラインBCCの診療ガイドライン
神谷 秀喜
著者情報
ジャーナル フリー

2007 年 22 巻 3 号 p. 233-238

詳細
抄録

本邦におけるBCCの治療は外科的切除が主体だが, 欧米では光線力学的療法やimiquimod外用療法等の非外科的治療に関する臨床試験も盛んに行われている。日本人と白人ではBCCの罹患率に開きがあり, 発生年齢, 臨床所見, 保険制度や社会慣習等の診療実態の相違もある。今回のBCCガイドラインは予防, 診断, 治療, 経過観察の4つのカテゴリーに分け, 19項目のクリニカルクエスチョンを設定した。この中でダーモスコピー等の新しい診断法, 手術以外の治療手段, 再発病巣の取り扱いについても検討した。BCCに関する文献はエビデンスレベルの高い研究が少ないが, 日本人に関する知見については症例数が少ない研究も評価対象とした。全体に診断法と手術治療に関する推奨度は高いが, 予防的事項や非手術治療に関するそれは低くなった。今後も日本の実情に合わせた推奨度の高いガイドラインの追加改訂が必要である。

著者関連情報
© 日本皮膚悪性腫瘍学会
前の記事 次の記事
feedback
Top