抄録
12例の爪甲下黒色腫につき, 臨床病理学的検討を行ったところ, ALM 7例, subungual premalignant melanosis 4例, NM 1例, SSM 0例, LMM 0例であり, その病型のheterogeneityが判明した。病理組織学的分類のうち, とくにALMについては, 三島, 中西の報告に基づいた。すなわち, ALMは臨床的に中心結節性腫瘤 (A phase) と, その周辺の軽度隆起性ないし浸潤性の黒褐色局面 (B phase) , さらに辺縁に淡褐色非隆起性色素斑 (C phase) の3相構造を示すが, 組織学的特徴はA phaseでtumor cellの真皮内へのvertical prolif6ration, B phaseでは表皮内でのtumor cellのpagetoid様nest形成, C phaseでは異型性の乏しい樹枝状メラノサイトの増殖が認められる。
