Skin Cancer
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菌状息肉症を思わせる腫瘤の出現と消裾をみたLymphomatoid papulosisの1例―エトレチナート内服が有効であった―
山岡 淳一藤田 真由美堂阪 直子立花 隆夫古川 福実今村 貞夫山邉 博彦
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1991 年 6 巻 1 号 p. 109-114

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抄録

47歳, 男。16年前より四肢, 臀部, 体幹を中心に紅斑性小丘疹の出現と自然消褪を繰り返していた。1989年11月, 皮疹が増悪し当科に入院した。血液一般検査, 腹部CTスキャン, 67Gaシンチグラフィー等の検索に加え, 皮疹部皮膚を用いたサザンプロット法による遺伝子検索, 電顕的および免疫組織学的検索を試みlymphomatoid papulosisと診断した。当初PUVA療法とエトレチナート内服の併用療法を行い, 以後エトレチナート内服単独療法を行ったところ, 皮疹は消褪しエトレチナート内服が有効と思われた。経過中, 左足蹠部に小指頭大の暗赤色腫瘤が出現し, 悪性リンパ腫への移行も疑われたが, この腫瘤も1~2ヵ月の経過で消褪傾向を示し瘢痕様の小丘疹となった。

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© 日本皮膚悪性腫瘍学会
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