Skin Cancer
Online ISSN : 1884-3549
Print ISSN : 0915-3535
ISSN-L : 0915-3535
ヌードマウス可移植性ヒト悪性黒色腫 (SK-14株) および腎癌 (RCC-1株) に対するIL-1β (OCT-43) の抗腫瘍活性の検討
石原 和之小出 勉小松 輝夫
著者情報
ジャーナル フリー

1991 年 6 巻 2 号 p. 345-358

詳細
抄録

IL-1β誘導体 (OCT-43) による腫瘍増殖抑制効果をヌードマウス可移植性ヒト悪性黒色腫 (SK-14株) および腎癌 (RCC-1株) について検討した。投与方法はいずれも腫瘍内投与と皮下投与で, 投与間隔は2投5休で, これを2クール施行して判定した。肉眼的な腫瘍の縮小は腎癌の皮下投与を除いて濃度と相関しなかった。しかし, 病理組織学的所見では一般的に濃度に相関して空胞変性, 細胞の壊死などが観察されたが, 最も顕著であったのが悪性黒色腫の腫瘍内投与であった。以上での実験でばIL-1β誘導体は肉眼的所見より病理組織学的所見によって抗腫瘍効果を判定すべきであると思われる。また, 悪性黒色腫の腫瘍内投与では高濃度群にて腫瘍細胞の壊死像が著明であることより臨床面での有効性が期待できることが示唆された。

著者関連情報
© 日本皮膚悪性腫瘍学会
前の記事
feedback
Top