1993 年 8 巻 Special 号 p. 151-160
1) 近年, 日光角化症の増加とともに, 日光角化症癌の増加がみられる。一方, 邦人に多いとされる瘢痕癌の症例はそれほど減少していない。
2) de novo SCC, 前駆疾患由来SCCの早期診断には, 積極的に早期から生検することが望まれる。
3) CT, MRI, エコー等の画像診断は, SCCの局在および立体的構築を明らかにし, 触知できない部位のリンパ節あるいは遠隔転移巣を知らせてくれる。
4) 治療としては, 手術が第一選択。これに化学療法, 放射線, 免疫およびBRM療法を併用する集学的治療が望まれる。
5) 近年, SCCの予後は改善されつつあるが, これは stage III症例の治療成績向上と相関しているように思われる。