皮膚の科学
Online ISSN : 1883-9614
Print ISSN : 1347-1813
ISSN-L : 1347-1813
症例
関西医科大学総合医療センターにおける梅毒の最近の動向
中丸 聖谷村 裕嗣宮本 真里四十万谷 貴子長野 奈央子寺井 沙也加槇村 馨久米 典子清原 隆宏
著者情報
ジャーナル 認証あり

2019 年 18 巻 3 号 p. 139-143

詳細
抄録

20141 月から20186 月までの 4 年半に関西医科大学総合医療センターにおいて経験した10例の早期梅毒患者についてまとめるとともに,梅毒の最近の動向について考察した。当該地区においても梅毒患者は増えており,男性 6 例,女性 4 例とやや男性優位であった。風俗店に通う青壮年男性が多かったことは,全国的傾向に合致していた。男性同性愛者および HIV 重複感染例は皆無であった。 硬性下疳 3 例,丘疹性梅毒 2 例,梅毒性乾癬 1 例,膿疱性梅毒および扁平コンジローム 1 例,ばら疹 3 例と極めて多彩な臨床像を呈していた。ほぼ全例に対してアモキシシリン内服治療を選択し,ほぼ全例で STS 抗体価の速やかな低下とともに臨床的治癒が得られた。なお,今回は晩期梅毒を除いた集計とした。梅毒の多彩な臨床症状と梅毒血清反応の複雑な動きを十分理解することは皮膚科医の大きな責務であり,病院内において今後ますます主導的役割を果たすことが求められる。 (皮膚の科学,18 : 139-143, 2019)

著者関連情報
© 2019 日本皮膚科学会大阪地方会・日本皮膚科学会京滋地方会
前の記事 次の記事
feedback
Top