皮膚の科学
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症例
ジブカイン塩酸塩による接触皮膚炎の 2 例
梅田 真希峠岡 理沙金丸 麻衣吉田 幸代田浦 麻衣子益田 浩司加藤 則人
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2019 年 18 巻 3 号 p. 163-167

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抄録

症例 1 9 歳,男児。左膝の擦過傷に対し,市販の消毒薬メモA R を外用したところ,同部位に水疱が生じた。メモA R 成分パッチテストにてジブカイン塩酸塩が陽性となった。症例 2 60歳代,男性。右下腿の打撲傷に対し,市販の消毒薬スキネードR 等を使用後,右下腿を中心に瘙痒を伴う紅斑が出現した。スキネードR 成分パッチテストにてジブカイン塩酸塩が陽性となった。いずれもジブカイン塩酸塩によるアレルギー性接触皮膚炎と診断した。ジブカイン塩酸塩は唯一のアミド型キノリン誘導体であり,基本的には他系統の局所麻酔薬との交差反応は起こらないとされている。しかし,パッチテストにて複数系統の局所麻酔薬に陽性反応を示した報告があるため,慎重に使用する必要がある。 (皮膚の科学,18 : 163-167, 2019)

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© 2019 日本皮膚科学会大阪地方会・日本皮膚科学会京滋地方会
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