皮膚の科学
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症例
臍部に単発した乳房外 Paget 病の 1 例
細本 宜志吉岡 希椋棒 圭子山本 容子磯貝 理恵子山田 秀和
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キーワード: 臍部, 乳房外 Paget
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2020 年 19 巻 1 号 p. 1-6

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抄録

56歳,女性。約10年前から臍部周囲に紅斑があったが,放置していた。左中足骨骨折の際に受診した整形外科にて臍部腫瘤を指摘され,当科紹介受診となった。初診時臍部周囲に 12×14.5cmの紅斑を認め,臍部に 2.4×3.2cm大の紅色腫瘤を認めた。外陰部,腋窩,肛門周囲に視診上明らかな異常所見は認めなかった。臍部周囲の紅斑と腫瘤から皮膚生検を施行し,臍部に単発した乳房外Paget 病と診断した。CT にてリンパ節転移や臓器転移は認めず,全身麻酔下で腫瘍切除術を施行した。現在,術後 2 年が経過しているが,局所再発や転移は認めていない。臍部に発生した乳房外Paget 病の報告は少なく,本邦では過去に12例報告されているが,このうち臍部に単発した症例は 4 例である。 (皮膚の科学,19 : 1-6, 2020)

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© 2020 日本皮膚科学会大阪地方会・日本皮膚科学会京滋地方会
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