抄録
尋常性乾癬患者51名に対して,入院での寛解導入,外来での維持療法を目的としてPUVA-bath療法を一貫して行い,その臨床効果について解析した。入院でPUVA-bath療法を施行した51名のうち,30名は退院後1年間外来で経過観察を行った。全例で外用療法を併用した。入院中の平均照射回数は13.4回,平均照射量は11.1J/cm2であった。51人中21人の患者でエトレチナート(5~30mg/日)を併用した。入院中のPUVA-bath単独群とエトレチナート併用群の有効性は著効と有効をあわせて92%であった。退院後の外来経過観察中に7人(23%)の患者で再燃を認めた。退院後の外来でのPUVA-bath療法の一ヵ月あたりの照射回数は,退院6ヵ月後(平均1.98回/月)よりも12ヵ月後(平均1.68回/月)で減少していた。またシクロスポリン治療からPUVA-bath療法への切り替え症例においても良好な結果を得た。全例において副作用は認めなかった。以上よりPUVA-bath療法単独もしくはエトレチナートとの併用療法は中等症以上の尋常性乾癬の寛解導入療法かつ維持療法として有用であると考えられる。