2007 年 6 巻 Suppl.8 号 p. A8-A14
アトピー性皮膚炎(AD)に対して,Th2サイトカインを選択的に阻害するトシル酸スプラタスト(アイピーディ®カプセル,以下IPD)と外用剤による治療(IPD群)が,ADの指標である血清IgE値,末梢血好酸球数,好塩基球数,LDH値をどのように変化させるかについて,多施設において他の抗アレルギー剤と外用剤または外用剤単独による治療(コントロール群)と比較検討した。IPD群,コントロール群ともに,検査値の有意な減少は認められなかったが,皮膚症状は改善した。特に,IPD群ではIgE高値例,好塩基球数高値例における皮膚症状は有意に改善された。IPDはIgE高値,好塩基球数高値の症例に対し,効果的に皮膚症状を改善する可能性が示唆された。