皮膚の科学
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症例
Imiquimod外用が奏効した肛門周囲疣贅・日光角化症・足底疣贅の症例
濱 雅世磯貝 理恵子川田 暁小塚 雄民
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2008 年 7 巻 1 号 p. 28-33

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抄録
Imiquimodはイミダゾールとキノリン骨格をもった,分子量240.3のイミダゾキノリン誘導体である。外陰部疣贅に対しては1997年,日光角化症・表在型基底細胞癌に対しては2004年に米国FDAで認可されている外用剤である。ImiquimodはToll-like receptor7,8に作用し,炎症性サイトカインを誘導し抗ウイルス活性を惹起する。高濃度ではミトコンドリアを介して抗腫瘍作用を示すことが証明されている。その他cyclic-AMPを減少させることにより抗ウイルス作用を示すことも最近報告されている。日本ではまだ認可されていない薬剤であるため,患者に文書で同意を得た上で,外陰部疣贅,日光角化症,足底疣贅の症例にimiquimod外用療法を施行した。その結果,全例とも数ヵ月で瘢痕を残さず病変は消退した。その後の再発は認めていない。
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© 2008 日本皮膚科学会大阪地方会・日本皮膚科学会京滋地方会
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