皮膚
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類天疱瘡について
第II篇光学および電子顕微鏡学的検討
吉岡 順子
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1981 年 23 巻 1 号 p. 55-75

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抄録

類天疱瘡の水疱とその周囲部を光顕的, 電顕的に観察して次の結論を得た。
1. 水疱形成部は境界部のlamina lucidaである。
2. 水疱前駆部では基底細胞の下面と側面に離間を生じて, 境界部小空胞を形成し, 水疱へと移行する。
3. このとき, basal lamina上部にマスト細胞を認めることがあり, 好酸球の豊富な浸潤が見られ, その周囲に強い浮腫を見る。
4. basal laminaに接着して基底細胞の一部がちぎれて残存していることがある。
5. 同じくメラノサイトも残存している。
6. 水疱膜の基底細胞は変性壊死に陥って排除される。この過程においてcolloid haliesないしghost basal cellsの形態をとる。
7. 残った有棘細胞以上で水疱膜が構成され, ある程度生存して大型水疱をつくる。

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© 日本皮膚科学会大阪地方会
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