皮膚
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ボーエン病の角層の形態
山田 政春須貝 哲郎
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1982 年 24 巻 6 号 p. 847-856

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抄録
ボーエン病では imividual cell keratinization などの角化異常が知られているが, ボーエン病がcamnoma in situであるということは角化異常を伴ないながら全ての腫瘍細胞が角化し, 角層から脱落してゆくことを意味する. 7例のボーエン病 (うち1例は再発後の腫瘤を含む) について角層の形態を検討し, 特徴的な所見を得た. 1) 過角化, 2) 角層内における腫瘍細胞の核の遺残, 3) 角層内に丸い均質な好酸性の角質塊や, 好酸性の均質な細胞質とその中央に濃縮した核を伴う角化異常細胞と同じ形態のものを認める. 4) 層板状の厚い角層. 5) 好酸性の均質な大きな角質塊を認めるもの. 6) 空胞化した Pagetoid 細胞および7) 通常の parakeratosis と同じ形態のもの. 以上の所見からボーエン病の角層の形態の異常について若干の考察を加えた.
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© 日本皮膚科学会大阪地方会
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