皮膚
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漆過敏者における漆urushiolの抗原性組成によるパッチテストおよびlymphocyte stimulatiom test
斎藤 文雄村尾 太郎宮崎 知子
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1983 年 25 巻 3 号 p. 422-426

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抄録

アレルギー性接触皮膚炎を惹起する生うるしはurushiol, urushiolのdimer, trimer, polymer, urushiol酸化物を含有することが知られている。urushiolは4つのcatechol誘導体に分画される。これらのcatechol誘導体はpentadecyl側鎖の飽和の程度によって, 全く飽和したものがpeutadecylcatechol (PDC, hydrourushiol) から不飽和のmonoene, diene, trieneに分かれる。20例のうるし過敏者に0.01%濃度の合成PDC, 分離PDC, monoene, diene, trieneおよびdimerを用いてパッチテストを実施し, その結果全例が全貼付物質に強陽性であった。これらの成績より主な活性抗原の決定は困難である。
うるし過敏者7例, 非過敏者7例にlymyohocyto stimulation testをurushiol, PDC, trieneを抗原として実施した。SI2.0以上を陽性とするとうるし過敏者6例中3例が陽性で, 非過敏者7例は全例が陰性である。この結果よりurushiol, trieneはin vitroで感作リンパ球を刺激しうることを示唆する。

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© 日本皮膚科学会大阪地方会
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