皮膚
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抗アレルギー剤Oxatomide (KW-4354) の瘡痒性皮膚疾患に対する臨床効果
濱田 稔夫岡田 正博
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1983 年 25 巻 6 号 p. 1005-1012

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抄録

ヒスタミン拮抗作用ヒスタミン遊離抑制作用を有する抗アレルギー剤Oxatomideの瘡痒性皮膚疾患に対する有用性ならびに安全性を検討するため, open studyの形式により検討を加えた。
効果判定の出来た症例は総数36例で, 湿疹皮膚炎が25例とその大半をしめており, あと慢性蕁麻疹8例, 皮膚瘡痒症3例である。結果は湿疹皮膚炎では, 有用率は, “有用” 以上48%, “やや有用” 以上84%, 慢性蕁麻疹では, “有用” 以上75%, “やや有用” 以上100%の成績が得られた。副作用は眠気3例, 胃部不快感1例, にがみ1例に認められたのみで, いずれも投与を継続し得た。
以上よりOxatomideは蕁麻疹は勿論のこと, 湿疹皮膚炎など, 広く瘡痒性皮膚疾患に対して, 臨床的に極めて有用な薬剤であると結論された。

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© 日本皮膚科学会大阪地方会
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