1984 年 26 巻 3 号 p. 525-534
株式会社ミドリ十字の開発したantedrug, リポステロイドの主剤であるdexamethasone-21-palmitate (DPと略) に副腎皮質ホルモンとしての活性がどの程度存在するのかを検討する目的で, McKenzieおよびStoughtonの皮膚蒼白化テスト (変法) を用い, 主剤に皮膚血管収縮能のほとんどないことを確認した. リポステロイドはDPを油相に溶解させた静注用脂肪乳剤で, 病巣部位への特異的な集積能をもち, 局所で酵素水解され, 徐々にかつ持続性に遊離型となって薬効を発揮するものと推察される.