皮膚
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牛乳アレルギーの成人例 (抄録)
多田 譲治池田 光徳福代 新治野原 望
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1986 年 28 巻 3 号 p. 377

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抄録

牛乳摂取後の全身の膨疹, 掻痒, 嘔吐, 呼吸困難を主訴とした成人男性例を報告した。患者42歳, 男性。初診: 昭和59年2月6日。家族歴, 既往歴: 特記することなし。現病歴: 乳児期は混合栄養で, 10歳頃までは食餌アレルギーの症状はない。小学校3-4年頃より乳製品摂取後, 全身の膨疹, 掻痒, 嘔吐, 呼吸困難をきたすようになった。検査成績: IgE 2.9U, IgE (RAST) 牛乳0.9 PRU/ml, 皮内テスト; 牛乳 (□), チーズ (□), カンジダ (□), β-lactoglobulin (□), bovine serum albumin (□)。牛乳摂取により上記症状を誘発しえた。治療および経過: 抗ヒスタミン剤無効。トラニラスト300mg/日内服を8か月間続けるも症状・検査値に変化なし。ケトチフェン2mg/内服に変更後, 牛乳摂取にても症状の出現なし。検査では, IgE (RIST) 値とともに, IgE (RAST) 値も低下傾向を示している (昭59.12; 13.4 PRU/ml, 昭60.10. ; 2.9PRU/ml)。

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