皮膚
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アトピー性皮膚炎におけるIgG4の役割に関する検討 (抄録)
佐伯 紀孝山本 恵理子宮野 径彰権東 明徳田 安章
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1986 年 28 巻 3 号 p. 392

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抄録

乳幼児アトピー性皮膚炎と成人型アトピー性皮膚患者の血清中総IgG4量および抗原特異IgG4量について検討した。卵誘発試験陽性の乳幼児は卵白アルプミン特異IgE高値、特異IgG4低値であり、卵誘発性試験陰性の成人は特異IgE低値、特異IgG4高値であった。また、特異的減感作療法郡は非減感作郡よりIgG4高値であった。これらの関係は実際、in vivoにおける検索においても卵アレルギーを有する患者を使った皮内テストにおいて、卵白アルプミン特異IgG4高値血清 (特異IgE低値) に著明な反応の抑制を認めた。
以上の結果よりIgG4はblocking antibodyとしての作用が示唆された。

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© 日本皮膚科学会大阪地方会
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