皮膚
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セファクロール (CCL) による薬疹の2例
東 兎彦松村 雅示永木 公美
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1986 年 28 巻 3 号 p. 454-458

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抄録

セファクロール (CCL) による薬疹を2例報告した。症例1は21歳, 女。 歯肉の感染症のため16日間CCLを内服。その中止5日後に, 全身の紅斑と肝窩, 腋窩, 後頭部の湿疹様病変を生じた。内服誘発試験によりCCLが原因と決定。約1カ月後, ふたたび同じ症状で受診。感冒のため薬剤を内服していたが, CCLは内服していなかった。内服誘発テストでフェロベリン (R) によるものと決定した。交差反応の可能性はあるが, 確定し得なかった。症例2は24歳, 男。昭和58年5月と10月に, 薬剤内服後に蕁麻疹を生じた。内服誘発試験でCCLおよびCEXが原因と決定した。両薬剤は類似の構造であり, 交差反応と考えた。

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© 日本皮膚科学会大阪地方会
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