1986 年 28 巻 5 号 p. 726-730
昭和50-59年の10年間に山形県立中央病院皮膚科を受診した単純庖疹264例, 水痘147例, 帯状庖疹917例につき統計的観察を行った。三疾患ともこの10年間で増加傾向にあることが示され, とくに近年, 成人の急性型陰部庖疹 (10例), 成人水痘 (64例) は著しく増加している。帯状庖疹患者は外来患者総数の3.2%とかなり高い頻度を得たが, 病院の性格や気候因子によると思われた。昭和58-59年の2年間の帯状庖疹216例で, 悪性腫瘍患者は13.9%, 汎発性帯状庖疹は9.3%, 帯状庖疹後神経痛は13.9%にみられた。