皮膚
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S-3470 (シオノギD®軟膏) の臨床治験
早川 律子松永 佳世子鈴木 真理細川 かをり
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1987 年 29 巻 3 号 p. 663-670

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抄録

白色ワセリンを基剤とし, 1g中に酢酸デキサメサゾン0.25g, 塩酸クロルヘキシジン1.0g, グリチルリチン酸3.0g, 酢酸トコフェロール5.0gを含有する, 湿疹皮膚炎治療用の一般用医薬品外用剤S-3470 (シオノギD®軟膏) の臨床効果を名大分院皮膚科を受診した湿疹皮膚炎患者26例と虫刺症15例を対象に検討した。S-3470を皮疹部に1日3回単純塗布させ, 初診時, 3日後, 1週後, 2週後, 3週後に観察した。結果は湿疹皮膚炎群では極めて有用8例, 有用16例, やや有用2例であり, 有用以上の有用率は92.3%であった。虫刺症では極めて有用6例, 有用9例で, 有用以上の有用率は100%であった。潮紅, 丘疹, 膿疱, 毛細血管拡張などの副作用を認めた例はなかった。S-3470は一般用医薬外用剤として, 有用な製剤であると判定された。

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© 日本皮膚科学会大阪地方会
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