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寺内 小枝子, 佐伯 光義, 原田 正, 手塚 正
1987 年 29 巻 3 号 p.
367-368
発行日: 1987年
公開日: 2010/08/25
ジャーナル
フリー
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須貝 哲郎
1987 年 29 巻 3 号 p.
369-370
発行日: 1987年
公開日: 2010/08/25
ジャーナル
フリー
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瀬野尾 章
1987 年 29 巻 3 号 p.
371-372
発行日: 1987年
公開日: 2010/08/25
ジャーナル
フリー
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本間 真
1987 年 29 巻 3 号 p.
373-374
発行日: 1987年
公開日: 2010/08/25
ジャーナル
フリー
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本間 真
1987 年 29 巻 3 号 p.
375-376
発行日: 1987年
公開日: 2010/08/25
ジャーナル
フリー
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夏秋 優
1987 年 29 巻 3 号 p.
377-384
発行日: 1987年
公開日: 2010/08/25
ジャーナル
フリー
BALB/cマウスの背部にDNFBを抗原として塗布し, 感作の成立した5日目の所属リンパ節細胞を培養し, 同抗原で刺激することによって得られる細胞増殖反応を3H-Thymidineの取り込みにて測定した。さらに, 同じ条件下におけるリンパ節細胞培養上清中のinterleukin1 (IL-1) 及びprostaglandin E
2 (PGE2) を測定した。その結果, in vitroでの抗原刺激に対してリンパ節細胞は著しい増殖反応を示し, 同時にその培養上清中のIL-1は増加, 一方PGE2は減少することが明らかとなった。このことから, 接触過敏反応における所属リンパ節内のMonocyte系細胞は, そのcytokineの分泌を調整することによって免疫反応を調節している可能性が示唆された。
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西嶋 攝子, 赤松 浩彦, 朝田 真木, 久保 桂子, 名村 章子, 白井 絹江, 増田 理恵, 朝田 康夫
1987 年 29 巻 3 号 p.
385-390
発行日: 1987年
公開日: 2010/08/25
ジャーナル
フリー
数年前より本邦における分離黄色ブドウ球菌に第一世代セフェムを含む多剤耐性菌の出現が認められた。この耐性菌は耐性ブドウ球菌用ペニシリンであるメチシリンとも交叉耐性を示したため, メチシリン・セフェム耐性黄色ブドウ球菌 (MRSA) とよばれている。皮膚科領域においては感染病巣より分離される細菌は今日なお黄色ブドウ球菌が最優位を占め, 最も重要な菌種である。今回過去10年間の当科における分離細菌の中から, 第一世代セフェム (CEZ) を含む多剤耐性黄色ブドウ球菌を選び出し, その耐性パターン, ファージ型, コアグラーゼ型等につき検討した。第一世代セフェムに耐性の株は合計17株であり, ペニシリン, マクロライド, アミノ配糖体等, 多くの薬剤に耐性であった。ファージ型には特異性は認められなかったが, コアグラーゼ型ではIV型が極めて多かった。
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小林 博人, 石崎 宏, 武田 行正, 鈴木 薫
1987 年 29 巻 3 号 p.
391-394
発行日: 1987年
公開日: 2010/08/25
ジャーナル
フリー
1匹の猫が感染源で, 飼い主, 預け先の家族および猫, 運搬人など計7人, 猫2匹に生じたMicrosporum canis感染症を報告した。
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齊藤 宏治
1987 年 29 巻 3 号 p.
395-409
発行日: 1987年
公開日: 2010/08/25
ジャーナル
フリー
下肢静脈瘤に対する外科的治療の効果を客観的に評価する方法は少ない。著者は, 静脈瘤による下腿の静脈還流不全が, 強く体位変換調節に障害をもたらすことに着目し, この調節能を検することによって手術効果の評価を試みた。サーモグラフィーを用いて, 臥位と立位での下腿のLongitudinal T hermal Gradient (LTG) を測定し, 体位変換に伴う皮温勾配と皮温変化をパラメーターとしてサーモグラムパターンを検討した。正常人の臥位のLTGは一定のパターンの緩やかなS字状形態をとり, 立位をとることによって皮温は全般に低下するとともに, 勾配が僅かに急峻となる傾向を得た。同様に静脈瘤21例についての結果は立位LTGが極めて急峻となるため, 臥位・立位のLTGが交叉する特徴を知った。これらに外科的療法を施し, サーモグラフィーを以って術後の経過を追い, 約3ケ月後には下腿の体位変換調節能が正常対照群と有意の差が無くなる程に回復することを知った。
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リンパ管造影による検討
浅野 翔一, 宮崎 孝夫, 倉本 賢
1987 年 29 巻 3 号 p.
410-414
発行日: 1987年
公開日: 2010/08/25
ジャーナル
フリー
両足趾に限局性リンパ管腫の存在する患者に足背式リンパ管造影検査を施行した結果, 以下の所見を得た。
(1) 造影直後の骨盤内にはリンパ管の怒張, 蛇行, 増数がみられ, 24時間後の両大腿部集合リンパ管には造影剤の残留がみられた。
(2) 腸骨リンパ節群や腰リンパ節群を形成するリンパ節は正常より小型であった。
以上の (1) はリンパの逆流による管内リンパうっ滞を示唆する所見である。また, 逆流の原因としては,(2) の所見に基づいて推察すると, 腰リンパ本幹系リンパ管の先天的な発育異常が考えられ, そのためリンパ排導能の低下を招き, リンパの逆流が生じた可能性が考えられた。
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鈴木 薫, 石崎 宏, 小林 博人, 武田 行正, 清 佳浩
1987 年 29 巻 3 号 p.
415-417
発行日: 1987年
公開日: 2010/08/25
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フリー
浅在性白癬1466例についてABO式血液型分布, さらに病型や原因菌種別の血液型分布を調査したが, 日本人の血液型分布との間に有意の差はみられなかった。浅在性自癬とABO式血液型とは関連がないと考えられた。
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久保 容二郎, 野中 薫雄, 吉田 彦太郎
1987 年 29 巻 3 号 p.
418-423
発行日: 1987年
公開日: 2010/08/25
ジャーナル
フリー
クロラムフェニコール (以下CP) による接触皮膚炎患者の貼布試験でクロロマイセチン軟膏そのものには陽性, 白色ワセリンを溶媒とした各成分別の検体にはすべて陰性が認められた。しかし, 2%CPにたいし蒸留水, エタノール, 1%ラウリル硫酸ナトリウム (以下SLS) 加白色ワセリンを溶媒とした検体では陽性であった。さらに, 前処理として掻破およびSLS貼布を行った部位での2%CP白色ワセリンの貼布試験はすべてに陽性が認められた。以上の結果より, 2%CP白色ワセリンは “偽陰性” 反応を呈する可能性が高く, いわゆるprovocative patch testに準じた手順で貼布試験を行う必要があることが明らかとなった。
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庄司 昭伸, 沢辺 元和, 林 庸一郎, 濱田 稔夫, 圓藤 吟史, 堀口 俊一
1987 年 29 巻 3 号 p.
424-428
発行日: 1987年
公開日: 2010/08/25
ジャーナル
フリー
感光性物質を製造している化学工場で多数の皮膚炎患者が発生した。中間体として使用しているDNCBが原因の一つと考えられ, 55名の従業員のうちパッチテスト希望者28名においてEuropean Standard SeriesおよびDNCB (0.1%アセトン溶液) にてパッチテストを実施した。その結果, 12例, 42.9%がDNCB陽性を示した。
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渡辺 加代子, 須貝 哲郎, 奥野 冨起子
1987 年 29 巻 3 号 p.
429-435
発行日: 1987年
公開日: 2010/08/25
ジャーナル
フリー
殺菌防腐剤Kathon CG (活性成分: 5-chloro-2-methyl-4-isothiazoline-3-oneと2-methy1-4-isothiazoline-3-one) の100ppma.i.水溶液によるパッチテストを149例に施行し, 3例にアレルギー反応を認めた。これら3例はヨーロッパ製化粧品を使用しており, その1つよりKathon CG14.5ppm a.i.を検出した。Kathon CGは本邦香粧品には未使用であるので, ヨーロッパ製化粧品が感作原と推定した。また, アレルギー反応の3例を除く146例のパッチテストではflare upを認めず, 刺激指数も3.42であったことよりパッチテスト至適濃度は100ppm a.i.水溶液と考えた。外国製化粧品によるKathon CG感作の可能性に注意を要するとともに本邦使用の場合の条件について考察した。
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村上 憲一郎
1987 年 29 巻 3 号 p.
436-443
発行日: 1987年
公開日: 2010/08/25
ジャーナル
フリー
広範囲に皮疹をみ, 増殖肥大型を呈した尋常性狼瘡の1例を報告した。55歳, 女性。
約30年前に, 右頬部に自覚症状のない皮疹が出現, 徐々に拡大し, 頭部, 前額部, 右頬部, 右下顎部より頸部にわたる広範囲の紅褐色, 浸潤を伴う隆起性局面を呈するに至った。ツ反: 強陽性。胸部レ線所見正常。生検組織片の結核菌培養によりヒト型結核菌が証明された。真菌培養: 陰性。組織像: 定型的結核結節を認めた。乾酪壊死は認められなかった。治療: INH, PAS併用療法で3カ月後には, 疲痕治癒傾向を認めた。
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小林 裕美, 依藤 時子, 深井 和吉, 濱田 稔夫
1987 年 29 巻 3 号 p.
444-448
発行日: 1987年
公開日: 2010/08/25
ジャーナル
フリー
43歳, 男性と54歳, 男性に見られた第2期結節性 (大丘疹性) 梅毒疹の2例を報告した。2例とも初診の約1カ月前より顔面に徐々に増大する自覚症状のない腫瘤が出現した。病理組織学的に真皮毛細血管の拡張と内皮細胞の腫大, 真皮上中層にわたる形質細胞主体の稠密な細胞浸潤を認めた。梅毒血清反応はガラス板法, TPHA法ともいずれも高値を示した。第2期梅毒疹と診断しAMPC内服治療したところ皮疹は消退傾向を見た。また同時に43歳, 男性は顔面の他の部位に丘疹性梅毒疹を, 54歳, 男性は胸背部に丘疹性及び膿庖性梅毒疹を認めたがこれらも内服後軽快した。感染機会については43歳, 男性は数カ月前まで複数有り, 54歳, 男性は否定している。
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鼻腔内異物による
太田 智秋, 上出 康二, 石井 崇子, 松中 成浩
1987 年 29 巻 3 号 p.
449-453
発行日: 1987年
公開日: 2010/08/25
ジャーナル
フリー
5歳, 男子。約2週間前より体臭が出現した。友人・親からくさいと言われるが, 本人は気付いていない。入浴時には一時消失するがすぐ悪臭が再現する。発育は正常で, 一見したところ皮膚には異常所見なく多汗もなかったが, 2-3mの距離から「何かが腐ったような」強い悪臭が認められた。尿色反応, 血中・尿中アミノ酸分析は正常であったが, よくみると左鼻口に軽度の発赤があり耳鼻科へ紹介したところ, 左鼻腔内に大豆大の布片が発見され, 除去により3日目には悪臭は完全に消失した。布片はシーツの端切れで患児が就寝前によく弄っていたものであった。Unusual odorの原因として稀ではあるが鼻腔内異物による場合があり, 注意を要する。
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葭矢 信弘, 松尾 仁子, 林 庸一郎, 濱田 稔夫
1987 年 29 巻 3 号 p.
454-458
発行日: 1987年
公開日: 2010/08/25
ジャーナル
フリー
症例1: 12歳, 男児。症例2: 8歳, 男児。いずれも毎年, 主に春から夏にかけて, 時に冬期にも, 露出部位に水庖が出現し, 治癒後の特徴的な陥凹性搬痕を残している。両症例とも, 人工光源では水癌は誘発できなかったが, 症例1では3時間の日光照射後に, 症例2では海水浴後に小水庖が出現した。それらの小水庖の病理組織像では, いずれも表皮下水庖と真皮上層の炎症性細胞浸潤がみられた。血液及び尿のポルフィリン体は, 症例1, 2ともにすべて正常範囲内であった。これまでの報告では本症でUVAの大量照射により水庖を生じた例が多い。自験2例を報告するとともに, この点を含めて考察を加えた。
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依藤 時子, 濱田 稔夫
1987 年 29 巻 3 号 p.
459-463
発行日: 1987年
公開日: 2010/08/25
ジャーナル
フリー
26歳, 男。初診3日前に右大腿伸側の圧痛ある皮下腫瘤に気付く。初診時, 右大腿伸側に直径約1.5cmの皮膚よりわずかに隆起した, 正常皮膚色, 弾性硬の皮下腫瘤を認め, 生検を兼ね全摘出した。組織学的に腫瘍は被膜を持たず, 線維腫様組織が一見浸潤性に皮下脂肪織に広がっていた。主に線維芽細胞様細胞で構成されており, 所々に核分裂像を認めた。毛細血管の増生や赤血球の管外溢出, 粘液腫様を呈する部分も見られ, 周辺部にはリンパ球, 組織球, 多核巨細胞よりなる細胞浸潤が見られた。これらの所見よりnodular (Pseudosarcomatdo8arcomatous) fasciitisと診断した。現在までに再発は認められない。
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山下 紀子, 橋本 武則, 片山 一朗
1987 年 29 巻 3 号 p.
464-468
発行日: 1987年
公開日: 2010/08/25
ジャーナル
フリー
Pseudoxanthoma elasticum (PXE) と眼底の網膜色素線条に大動脈弁閉鎖不全症を合併したGrönblad-Strandberg症候群の1例を報告した。症例は39歳, 女性, 1週間前より眼球結膜の充血に気付き, 眼科を受診し眼底検査にてAngioid Streaksを認めた。また皮膚科にて両腋窩部に扁平黄色皮疹を指摘され, 皮膚生検にてPXEの所見が得られたためGrönblad-Strandberg症候群と診断した。聴診にて収縮期駆出性雑音と拡張期雑音を認め, また心電図にて左室肥大, 胸部レ線で心拡大, 心エコー図で大動脈弁逆流が認められ, 大動脈弁閉鎖不全症を合併しているものと考えた。
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土屋 展章, 和田 芳幸, 南原 征哲, 清金 公裕
1987 年 29 巻 3 号 p.
469-477
発行日: 1987年
公開日: 2010/08/25
ジャーナル
フリー
19歳女性の弾力線維性仮性黄色腫の1例は蛇行性穿孔性弾力線維症を合併していた。皮疹は頸部から項部および両鎖骨上窩, さらに両腋窩部に左右対称性に淡黄色の扁平丘疹が集籏, 融合して網目状局面を形成していた。この部分の病理組織学的所見は弾力線維性仮性黄色腫を示した。前頸部には横径9cm× 縦径4.5cmの環状の病巣が存在し, その辺縁は赤色丘疹が密に配列して堤防状に隆起し, 中央部は搬痕性で, 内部に硬い丘疹が密に存在していた。この部分は蛇行性穿孔性弾力線維症であった。自験例を含め蛇行性穿孔性弾力線維症を合併した弾力線維性仮性黄色腫の本邦例を集計し, その統計的観察および若干の文献的考察を行った。
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柳原 宏四, 原田 正, 鈴木 雅裕, 手塚 正
1987 年 29 巻 3 号 p.
478-481
発行日: 1987年
公開日: 2010/08/25
ジャーナル
フリー
8歳, 22歳の男性にみられた陰茎縫線嚢腫の2例について報告し, 本症の発症要因について文献的考察を行った。自験例は尿道癒合異常が胎生期より存在しそれが時期的に遅く出現したものと考えられる。
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和田 芳幸, 土屋 展章, 清金 公裕, 安原 稔
1987 年 29 巻 3 号 p.
482-486
発行日: 1987年
公開日: 2010/08/25
ジャーナル
フリー
18歳女子の頸部に生じた毛母腫の1例を報告した。臨床像は数個の角化性小結節の集合から成る黒色局面を呈していた。病理組織像は, 真皮内に, 連絡することのない, 数個の毛母腫が存在し, さらに3個の毛母腫は好塩基性細胞が著明な円柱状の角化物質となり, 被覆表皮より突出し, 表皮は毛母腫の表面を覆うように下方に伸長する特異な像を呈した。本例は, 数個の毛母腫が1つの局面を形成し, Mehreganの提唱したフィールド腫瘍 (Field neoplasia) の概念に一致する症例と考えられた。また, 各毛母腫の好塩基性細胞の毛分化が著明であったため, かかる特異な臨床像と組織像を呈したものと推定された。
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南 祥一郎, 古川 わかお, 宮崎 孝夫
1987 年 29 巻 3 号 p.
487-490
発行日: 1987年
公開日: 2010/08/25
ジャーナル
フリー
症例は75歳, 男性。約30年前, 陰茎基部に自覚症状を欠く紅色調の皮疹を認め, 切除術を受けた既往がある。また, 当科初診の3週間前, 左腋窩部に同様の皮疹を認め, 近医にて剔出術を受けた。当科初診時に, 上記2カ所の手術創を中心として比較的境界明瞭な紅色調の軽度浸潤を伴う紅斑を認めた。さらに, 検索を行なったところ, 右腋窩部にも境界不鮮明な淡紅色調の皮疹を認めた。これら3病巣の別出を行ない, 全ての病巣表皮層内にPapet細胞を認めたこと, 及び, 臨床検査にて転移を思わせる所見を認めなかったことにより, 本症例をtriple extramammary Paget's diseaseと診断した。
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C. L. Goh
1987 年 29 巻 3 号 p.
493-500
発行日: 1987年
公開日: 2010/08/25
ジャーナル
フリー
Of 557 patients with occupational skin disease seen at the Middle Road Hospital in Singapore, 55.7%(310) had irritant contact dermatitis, 38.6%(215) had allergic contact dermatitis and 5.7%(32) had other non dermatitic conditions.More than half of the patients with occupational skin disease were below 30 years old. Most of the cases of occupational skin disease came from the construction (29.5%), metal/engineering (20.6%), electrical/electronic (16.4%), transport (5.5%) and catering (3.8%) industries.
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小塚 雄民
1987 年 29 巻 3 号 p.
501-503
発行日: 1987年
公開日: 2010/08/25
ジャーナル
フリー
シンガポールでは職業性皮膚疾患患者を診察した場合, 積極的に職場調査を行っている。そこでシンガポールのGoh医師と世界26ケ国における職業性皮膚疾患診療体制についてアンケート調査を行った。その結果, 回答のあった23ケ国中21ケ国で皮膚科医が積極的に職場調査を行い, 職業性皮膚疾患の診療にあたっていることが明らかとなった。
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木村 幹男
1987 年 29 巻 3 号 p.
504-509
発行日: 1987年
公開日: 2010/08/25
ジャーナル
フリー
正常雑種第一代 (F1) マウス例えば (A×B) F1に親系マウスA (あるいはB) のリンパ球を移入すると, graft-vs-host (GVH) 反応を生ずるが, その結果抗核抗体など自己抗体の産生が見られSLE様免疫複合体型糸球体腎炎, 強皮症, 慢性関節リウマチ, シェグレン症候群様病変などをうることができる。機序としてclass II 抗原を認識してヘルパー活性を示すドナーのLyt-1
+2
-T細胞と, F1の自己抗原反応性B細胞との相互作用が重要である。この際の抗体産生はいわゆるpolyclonalB-cell activationによるものでなく, 特定の構造を有する自己抗原に対する選択的な抗体産生である。GVH反応は人為的なものであるが, 同じ機序がヒトの疾患にも関与している可能性がある。
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牧野 荘平
1987 年 29 巻 3 号 p.
510-513
発行日: 1987年
公開日: 2010/08/25
ジャーナル
フリー
気管支喘息では, 抗原吸入により気管支収縮発作を誘発し, その後に, 喘息症状の悪化を示す事がある。その機序は不明であるが, 内因性アドレナリンは気管支拡張作用を持つが, アナフィラキシー反応は気道でのアドレナリンの筋弛緩作用を減弱させる可能性がある。この機序の-部を知るため, 被動感作モルモットの気管筋標本で, 抗原暴露後の収縮反応の前後での, isoptereno1, prostaglandine E2, forskolin, aminophillineの弛緩効果を比較した。アナフィラキシー後にはisoproterenolの筋弛緩作用が低下し, その障害部位はadenylate cyclase, または, β-アドレナリン-受容体とadenylate cyclaseとのcouplingの障害と考えられた。アトピ-性皮膚炎で, isoproterenolによる皮膚上皮細胞増殖抑制作用の低下が報告されており, 皮膚でのアレルギー反応がホルモン受容体またはその作用に影響を与える可能性を示唆している。
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大沢 純子, 内藤 静夫, 池澤 善郎, 永井 隆吉
1987 年 29 巻 3 号 p.
514-517
発行日: 1987年
公開日: 2010/08/25
ジャーナル
フリー
60歳, 男性。白内障の手術後, デカドロン, パンマイ点眼薬と眼囲の消毒に2%ホウ酸水を使用していたところ, 両眼周囲に瘋痒性皮疹が出現し, 顔面全体, 頸部, 前腕にまで拡大してきた。接触皮膚炎を疑い, 全ての外用を中止しステロイド軟膏の使用により皮疹は速かに改善した。パッチテストでホウ酸にのみ陽性を示したことより, ホウ酸による接触皮膚炎と診断した。
ホウ酸はホウ酸亜鉛華軟膏の成分として, 皮膚科ではなじみの深い物質であるが, これによる接触皮膚炎の報告はないため報告した。
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松尾 閑乃, 中山 秀夫
1987 年 29 巻 3 号 p.
518-522
発行日: 1987年
公開日: 2010/08/25
ジャーナル
フリー
衣料品による接触皮膚炎の患者着衣から逆行調査してたどりついた褐色の混合分散染料, 商品名Terasil Brown JNHの接触アレルギーの1例とその褐色染料の反応性について報告した。
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久保 容二郎, 野中 薫雄, 吉田 彦太郎
1987 年 29 巻 3 号 p.
523-526
発行日: 1987年
公開日: 2010/08/25
ジャーナル
フリー
すでに, ゴマ油によるアレルギー性接触皮膚炎の1例を「紫雲膏に含まれるゴマ油による接触皮膚炎」として報告したが, その症例につき, 抗原の解析を試みた。
ゴマ油皮膚炎の抗原としては従来その不鹸化物sesamin, sesamolin, sesamolなどが考えられてきた。今回, それらを各々1%含有する白色ワセリン基剤の検体を作製し貼布試験を行ったところ, se8aminとsesamolinの両者に陽性を認めたが, sesamolには陰性であった。それらの結果について考察を加えた。
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羽田 妙子, 山縣 正治, 相模 成一郎
1987 年 29 巻 3 号 p.
527
発行日: 1987年
公開日: 2010/08/25
ジャーナル
フリー
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野田 浩子, 藤川 京子, 福島 英治, 安部 誠, 上田 宏, 杉浦 功人
1987 年 29 巻 3 号 p.
528-532
発行日: 1987年
公開日: 2010/08/25
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フリー
60才, 女性。カルバルゾンを主剤とする新フランセF
®膣錠挿入により, 2度ショックを起した。オープンテストで新フランセ腔錠とカルパルゾンとに20分後陽性反応を認めたので, カルパルゾンによる接触奪麻疹と診断した。
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橋本 陽子, 須貝 哲郎
1987 年 29 巻 3 号 p.
533-536
発行日: 1987年
公開日: 2010/08/25
ジャーナル
フリー
12歳, 男児。食用綿実摂取後すぐに呼吸困難, 顔面腫脹等の症状を呈した。綿実および各種抽出液により皮膚テストを施行した結果スクラッチテストで各抽出液すべてに陽性反応を認め, 中でも水抽出液に対して強い膨疹反応を呈した。なお, 鳥居アレルゲンの綿, 綿布および市販の食用綿実油には陰性であった。
本邦においては, 輸入規制により, 綿実を直接摂取することはないが, 輸入菓子類の添加物またはミックストナッツ類として摂取する機会はあると推定される。したがって, 食餌アレルゲンの一つとして綿実を念頭におくべきであろう。
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患者および正常人血清因子陽性かつ抑制波長陰性例
渡辺 雅久, 大神 太郎, 野中 薫雄, 吉田 彦太郎, 西本 勝太郎, 阿南 貞雄
1987 年 29 巻 3 号 p.
537-541
発行日: 1987年
公開日: 2010/08/25
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フリー
76歳, 男子の日光奪麻疹の1例を報告した。作用波長は, UVA領域から, 610nmまで, 抑制波長は認められなかった。患者血清を, SephacrylS-300を用いてゲル濾過を行い, 得られた分画に作用波長光を照射し患者皮内に注射したところ, 分子量9万から12万に相当する分画に対し紅斑反応がみられた。正常血清についても同じ処理を行い皮内注射を試み, 同様な結果が得られた。
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Closed epicutaneous testとAdjuvant patch testの比較
木下 三和子, 石原 勝, 伊藤 正俊, 西村 誠, 山田 耕次, 野池 尚美
1987 年 29 巻 3 号 p.
542-547
発行日: 1987年
公開日: 2010/08/25
ジャーナル
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赤色207号, 赤色223号, 青色205号, 黄色204号の皮膚刺激および経皮感作性を白色モルモット雌を用いて検討した。感作性試験としてClosed epicutaneous testと, Adjuvant patch testを施行した。皮膚刺激性試験は4種の色素すべて30%-0.01%の7段階いずれの濃度においても無刺激であった。
感作性試験では, 赤色223号は, 惹起濃度30%でも両法いずれも陰性。青色205号ではAPTのみ惹起濃度30%で70%の陽性反応, 赤色207号はCETで惹起濃度30%で50%の陽性反応, APTで90%の陽性反応。黄色204号はCETで惹起濃度30%で70%の陽性反応, APTで100%の陽性反応を認めた。
以上よりAPTはCETIに比し, より鋭敏な感作性試験と評価される。
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勝村 芳雄, 市川 秀之, 石井 しのぶ, 小林 敏明, 藤山 喜雄
1987 年 29 巻 3 号 p.
548
発行日: 1987年
公開日: 2010/08/25
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市川 秀之, 寺嶋 有史, 石井 しのぶ, 徳田 勝彦, 小林 敏明, 藤山 喜雄
1987 年 29 巻 3 号 p.
549
発行日: 1987年
公開日: 2010/08/25
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庄司 昭伸, 加藤 晴久, 國行 秀一, 濱田 稔夫
1987 年 29 巻 3 号 p.
550-556
発行日: 1987年
公開日: 2010/08/25
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パッチテストの成績の評価についてわれわれの経験した下腿潰瘍の4例について報告した。その結果, 症例1-2においては入院時のパッチテストにてEuropean 8tandard seriesおよび消毒剤においてすべて陰性を示した。症例2は退院時にはpamben mix, neomycin, 20%gentamycinにて陽性を示した。症例3はparabenhuty1, parabenmethy1, pambenethyl, neomycin, 20%gentamycinにて陽性を示した。症例4において, 20%gentamycinでは強陽性を示し, 強い感作が認められた。この症例において, 0.1%gentamycin含有のゲンタシン軟膏, リンデロンVG (R) 軟膏, クリームにおいて陽性を示したが, 0.1%gentamycin含有のゲンタマイシンソルベースおよびゲンタシン
R点眼液において陰性を示した。これら4症例においていずれもexcited skin syndmmeと考えられるようなパッチテスト陽性反応はみられなかった。
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浜中 すみ子, 西岡 和恵, 麻上 千鳥
1987 年 29 巻 3 号 p.
557-562
発行日: 1987年
公開日: 2010/08/25
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74歳, 男。セメント2次製品工場員となり, 離型剤を用いた型枠をとりはじめた2年後より顔面, 項部および両手背部に紅斑が, ついで背部に丘疹が出現した。光貼布試験(以下PPT)では油性離型剤の成分である基油AでUV-A陽性反応を示し, 同時に既存の皮疹の増悪が認められた。基油Aを薄層クロマトグラフィーで分離し, その第IV画分にPPT(UV-A)陽性所見を得, アロマ基の可能性が示唆された
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東 萬彦, 松村 雅示
1987 年 29 巻 3 号 p.
563-567
発行日: 1987年
公開日: 2010/08/25
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52歳, 男, ウレタン系ゴムの製造に10年来従事, 2年前から顔面, 手背に瘍痒性, 浸潤性紅斑を生じていた。職業性接触皮膚炎を疑って, 貼布試験を行った。ゴムの老化防止剤である2-mercaptobenzimidazole(MBI)および2, 5-Di-tert-butylhydroquinone(DBH)によるアレルギー性接触皮膚炎と決定した。
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長野 拓三
1987 年 29 巻 3 号 p.
568-571
発行日: 1987年
公開日: 2010/08/25
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CEX剤を内服して, アナフィラキシー・ショックを起したり, 全身に幕麻疹が生じたりした5人の患者に対して皮膚テストや内服誘発テストを実施した成績とRASTとの関係について検討を行った結果, 全員皮膚テストや内服誘発テストで陽性が確認できたが, RASTの成績では1例のみが陽性で, 他の4例は陰性または, 偽陽性であった。従って, 現時点ではRASTの手技上に問題があるので, 従来の皮膚テストの方がまだまだ信頼度が高いものと思われる。
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本田 千博, 清水 良輔
1987 年 29 巻 3 号 p.
572
発行日: 1987年
公開日: 2010/08/25
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野元 茂, 鷲見 浩子, 田代 正昭
1987 年 29 巻 3 号 p.
573-577
発行日: 1987年
公開日: 2010/08/25
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69歳, 男性。初診の約12日前, 某医にてカルバマゼピン200mg/day, イミプラミン50mg/day, トルペリゾン300mg/dayの投与を受け1週間内服後, 頭頸部・前胸部に碗豆大の紅斑が多発し当科受診。初診時, 口腔・陰部に粘膜疹も伴っていた。疑わしい薬剤によるパッチテストおよびリンパ球幼若化試験を行ったが, 全て陰性であった。カルバマゼピン20mgの内服テストにて皮疹の誘発をみ, 臨床症状より本症は, カルバマゼピンによる粘膜皮膚眼症候群型薬疹と診断した。自験例は皮疹発現までのカルバマゼピンの投与量1.4g, 期間7日と, 本邦の報告例7~60g, 14日・4カ月と比較し, 少量, 短期間にて発症したのが特徴的であった。
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池野 宏, 青木 敏之
1987 年 29 巻 3 号 p.
578-580
発行日: 1987年
公開日: 2010/08/25
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三叉神経痛に対しテグレトールを1日400mg計60日内服中の62歳の女性が掌せきと肛囲にかゆみを伴った紅斑を生じ, 舌にも紅斑と知覚過敏を生じた。貼布試験陽性, 誘発試験陽性, 組織所見でかつて表皮下に強い炎症と出血があったと思われる像がみられたので, 皮疹の分布が特異であったが, 多形紅斑型薬疹と診断した。
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鈴木 真理, 細川 かをり, 松永 佳世子, 早川 律子
1987 年 29 巻 3 号 p.
581-585
発行日: 1987年
公開日: 2010/08/25
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52歳, 男性。昭和42年より精神分裂病にて多種の向精神薬を服用し, 昭和58年より催眠剤としてベゲタミン (11) Aの内服を始めた。昭和60年5月19日より発熱, リンパ節腫脹, 顔面に壊死性水疸が出現した。ベゲタミン (13) Aの内服中止で症状は軽快し, 内服誘発試験でベゲタミン (11) Aの一成分であるフェノバルビタールが陽性であった。リンパ球幼若化試験ではフェノバール (11) とピレチア (18) が陽性であった。病理組織所見では真皮から脂肪織の血管周囲及び血管壁にリンパ球浸潤を伴う血管炎の像を示した。
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山本 幸代, 須貝 哲郎
1987 年 29 巻 3 号 p.
586-593
発行日: 1987年
公開日: 2010/08/25
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非ステロイド消炎鎮痛剤チアプロフェン酸, 商品名スルガム
® (エーザイ) は薬効のすぐれた製剤で, かなり汎用されている。今回そのクリームが試作され, 皮膚安全性の検討依頼があり, その結果, 本剤が感作物質であり, 光感作性も有することが判明した。外来接触皮膚炎患者24例に本剤の4%-1%濃度のパッチテストを行ったが, 陽性反応3例をみ, フォトパッチテストには異常がなかった。しかし2例に2週間後, UVA照射部にのみ陽性をみた。別に, 予知光パッチテストを2回繰返した20例の正常志願者に本剤の内服誘発テストを施行したところ, 2例に光パッチテスト部の再燃を認め, 診断光パッチテストで光接触アレルギーの成立を確認しえた。また, 本剤で薬疹を生じた患者にパッチテストを行ったところ, フォトパッチテストのみ陽性であった。
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廣谷 由佳里, 荒田 次郎
1987 年 29 巻 3 号 p.
594
発行日: 1987年
公開日: 2010/08/25
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53歳, 女性。肝機能障害, 高血圧, 抗生剤内服によるショック, 急性腹症の既往。飲酒癖なし。兄が鎮痛剤内服によりショック死した以外家族内同症なし。初診6カ月前より赤色尿が続き, 肝機能障害を指摘され, プロトポルフィリン製剤を内服。その頃より, 日光裸露部に小水疱, 色素沈着を生じた。初診時, 軽度機能障害及び尿中ポルフィリン体, ポルフィリン前駆体, 便中のポルフィリン前駆体, 便中のポルフィリン体の上昇がみられた。赤血球中ポルフィリン体正常。光線照射試験は, プロトポルフィリンの光パッチテストのみ陽性。プロトポルフィリン製剤内服中止により症状, 検査所見の改善がみられず, 同薬により顕現化された多様性ポルフィリン症が最も考えられた。
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内田 幾代, 岡田 浩明, 杉本 憲治, 清水 正之
1987 年 29 巻 3 号 p.
595-601
発行日: 1987年
公開日: 2010/08/25
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58歳, 男性。顔面, 耳前, 耳介, 手背に苔癬化紅色丘疹, 落屑, 血痂を伴う浮腫性紅斑出現。光線過敏性検査で中波長, 長波長紫外線に対する反応は異常に元進していた。光貼布試験でスミチオンがUVA照射, マラソンはUVB照射で陽性所見を認めた。接触源を絶つようこころみているが, 発症, 増悪, 軽快をくり返し, さらに光線過敏症は持続し, persistent light reactorと考えられる。
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内藤 静夫, 池澤 善郎
1987 年 29 巻 3 号 p.
602-605
発行日: 1987年
公開日: 2010/08/25
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58歳, 女。昭和61年2月13日より塩酸ベラパミル120mg/日2週間内服。2月24日ほぼ全身に痩痒性皮疹と結膜炎症状が出現・翌日口唇に小水疱出現。2月27日当科初診, 同日入院。入院時ほぼ全身に斑状紅斑と口唇に小水疱を認めた。入院後約1週間にて皮疹軽快。3月14日塩酸ベラパミル40血9内服試験により皮疹と結膜炎症状が再現され, 塩酸ベラパミルによる粘膜皮膚眼症候群 (MCOS) への移行の認められた多型斑型薬疹と診断した。
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