皮膚
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副乳の家族例
沢辺 元和古川 雅祥濱田 稔夫
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1987 年 29 巻 4 号 p. 732-736

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抄録
症例は35歳, 男性。出生時より, 右乳房下方と左乳房下方に, 1ヵ所ずつ類円形の淡褐色斑が存在しており, 初診時右乳房下方約3cmの所に20mm×10mmの, 左乳房下方約9cmの所に15mm×5mmの, 肉眼的に乳房に類似した類円形で境界鮮明な扁平な茶褐色の皮疹を認め, その中心部には黒褐色の乳頭様構造を, 周辺部には発毛を認めた。組織学的には, 表皮のpapillomatosisと基底層のメラニン顆粒の増加, また真皮中層に束状に散在する平滑筋組織と真皮下層にやや拡張した乳管を認めた。更にその母と次女にも同症を認めた。母は両側腋窩に1ヵ所ずつ, 次女では左乳房下方に1ヵ所存在し, それぞれ乳頭様構造を認め, いずれも臨床的に副乳と診断した。
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© 日本皮膚科学会大阪地方会
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