皮膚
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特異な臨床像を呈した若年性黒色腫の1例
安藤 浩一神谷 受利福井 良昌
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キーワード: 若年性黒色腫
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1988 年 30 巻 5 号 p. 655-657

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抄録

3歳, 女児。6カ月前よりオトガイ部に赤色結節が出現し, 次第に増大し12×9mmになった。さらに1カ月前よりその近傍に2×2mmの赤色丘疹が出現した。他院での生検の結果, 若年性黒色腫を疑われ紹介されて当科に来院した。臨床的に悪性黒色腫とその衛星病巣との鑑別が重要な問題となった。一括して切除し, 皮弁を用いて再建した。病理組織学的に検討したところ, Ackermanの指摘する若年性黒色腫の像として矛盾せず特に悪性黒色腫を危惧させる所見はなかった。小児例であること, および手術後8カ月を経過して再発を認めないこともこの腫瘍が良性であることを示唆している。

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© 日本皮膚科学会大阪地方会
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