皮膚
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早期に全身転移をきたした外陰部Paget病の1例
稲守 美紀宮崎 孝夫南 祥一郎相模 成一郎大江 昭三
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キーワード: Paget癌-骨転移-ARDS
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1990 年 32 巻 1 号 p. 92-96

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抄録
きわめて進行が早く, 死の転機をとった外陰部Paget病の1例を報告する。患者は58歳, 男性で初診の約4ヵ月前に陰嚢部左側に症痒を伴なう紅斑に気づいた。皮疹は漸次拡大し, 初診時には同部は紅斑性の隆起した腫瘤を認め, 左右両鼠径部のリンパ節を触知した。また, 骨シンチグラムにより骨転移像が数ヵ所に認められた。臨床像及び組織像より本症例をPaget癌と診断し, 治療は局所の病巣摘出術と化学療法を施行した。然し, 治療の効なく患者はARDSを併発し, 皮疹出現後約9ヵ月目に死亡した。
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© 日本皮膚科学会大阪地方会
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